昨夜は、実務的な勉強会に出席しました。年に1回、医師会で行っている保険診療をする上で守るべきことを勉強する会。
実は、半強制的な側面があって、出席しないと個別に呼ばれていろいろと指導されるかもしれないという・・・その方がめんどうだし、そもそも準備なども大変になります。
一般の方には、わかりにくいと思いますが、保険診療のシステムを簡単に説明してみましょう。
皆さんは、保険料をそれぞれの保険組合(保険者)に払います。その結果、保険診療を扱う大多数の病院やクリニックを受診する時には、診療に要した費用の1割~3割の自己負担分だけを支払えばいいわけです。
ちょっと、違う話ですが、保険診療を受けるのであれば、保険証は必ず提示する義務があることを忘れないでください。保険証をお持ちにならない方がかなり多いのですが、保険証がなければ10割を病院から請求されるのは当たり前なのです。
話を戻すと、医療機関は行った診療行為について、診療報酬請求を保険者にするわけですが、間に入って診療行為が妥当かどうかをチェックするのが社会保険支払基金と国保連合です。
この機関がいろいろと指導をするわけですが、新しく開業した医療機関は1~2年以内に必ず一度は個別の指導を受けます。自分も呼ばれた事がありますが、指定されたカルテや資料を持参して、いろいろと「面接試験」を受けたわけで、けっこう精神的ストレスは高かった。
その他に、共同指導と呼ばれる、集団での講習を受ける会にもどこかで必ず出席しなければいけないのですが、こちらは講演を聞くだけなので、それほど大変ではありません。
それ以外に、明らかに問題のある診療を行っていそうな医療機関が特別に呼ばれる個別指導というのがあって、数%の医療機関が呼ばれるそうです。これは、かなり厳しいものだそうで、場合によっては診療報酬の返還を求められます。
問題は、この指導を受ける基準。一律に診療報酬の平均を超えた事でセレクトされているということ。毎月一人当たりの請求額の全体の平均の1.2倍以上が基準らしいのですが、うちは半分をちょっと超える程度。基準にひっかかるところって、どんだけ働いているんかという感じです。
ただ、関節リウマチで注意しないといけないのは、生物学的製剤をたくさん使う場合、点滴などはクリニックで購入して、薬代ももらいます。そうなると必然的に請求額が上がってしまう。月に一回の通院だとしても、基準を超えてしまうのは確実ですが、だからと言って収益はわずか。
いや、もう、医業経営というのも、いろんなことも気にしないといけないわけで、現実問題としては理想論だけでは保険医療は成り立たないということです。ある意味、ブラックジャックのような存在というのも、正当性を認めざるをえないところだったりします。