2014年4月3日木曜日

理系女子のピンチ

STAP細胞というものが、そもそもどういうものかきちんと理解していない立場で、どうのこうの言うのは如何なものかというところがあるのですが・・・

論文に対して疑問があると報道された時点で、一度ある程度擁護する意見を書きました。しかし、その後いろいろと報道された追加情報をそのまま受け止めるならば、これは少なくとも論文としては否定されてもしょうがないと、率直に考えます。

論文に一度使用した図版などは、発表誌に帰属するもので、たとえ著者であっても許可無く他の場所で使用することはできないと思います。

よい結果が出た部分の写真だけを切り貼りしてしまうのもNG。こっちはよくて、あっちはだめという結果は、もともと結果としてはだめなわで、研究者はこっちもあっちもちゃんとした結果が出るまで、実験を続けることが求められるはず。

理化学研究所の調査の結論(捏造)に対して、著者は「悪意の無い間違い」と反論しましたが、それ自体すでに研究としての価値を自ら落とした事になりますし、そういうことをしてしまうことが自らの未熟さを露呈しているということです。

大学病院という組織での、研究に多少なりとも関わった経験からは、何か学会発表をしようとか、論文を投稿しようとかいうときは、上にお目付け役の先生が必ずいました。

途中経過も含めて、ちょこちょこ見せる事を要求され、たくさんのダメだしをされて、完成すると医局全体で発表をする。そこで、直接関係のない先生からもいろいろと質問される。たくさんのチェック体制が、自然と出来上がっていたように思います。

思うに、理化学研究所というところは、それぞれの研究の専門家が集められ、独立したユニットとして活動しているのではないかと。専門性が高くなればなるほど、他の研究者は口出しができなくなる。

いずれにしても、今回の問題によって、理化学研究所という組織の研究のあり方に大きな問題があることがわかりました。そして、おそらくその中の一部の方々の「権威」をおとしめてしまった・・・んでしょうね。