医者は、大学でひたすら膨大な医学の勉強はしますが、文系の勉強はほとんどしている閑がありません。そのせいか、しばしば一般常識に欠けると思われますし、実際知らない事だらけ。
特にクリニックを開業してみると、医者として自分の理想の医療を提供しているだけではすまないことだらけ。経営者としての力量を要求されるわけで、今までやったこともない世界が広がっていました。
人に雇われる立場と、人を雇う立場では雲泥の差があって、とにかく医学部の勉強には経済学・経営学などもあるべきだと思ったりするわけですが、実際のところ今の間に合いません 。
そこで、大半のクリニックでは、税理事務所にお願いして、それらのよくわからない仕事の大半を請け負ってもらっていると思います。当然、うちの場合も、開業以来同じ事務所にお世話になっている。
給与計算、法人と個人の税金計算、お役所的なわけのわからないもろもろの書類の処理などを、一切合財お願いしていて、その上で毎月収支の報告と、いろいろな経営上のアドバイスをしてくれます。
昨日は、年に一度、いつもの担当者だけではなく、税理事務所の親分もやってきて、1年間の総合評価の説明を受けました。
ボスの言葉は、毎年厳しいことが多いので、今年もさぞかしダメだしを食らうと思うと、けっこう緊張して、年度末に成績表をもらう生徒みたいな心境になります。
開業して最初の5年くらいは、患者数、患者単価(一人当たりの診療報酬)ともに順調に伸びて、まだ伸びしろがあるからひたすらがんばれと言われていました。
さすがに医者一人でできることには限界がありますから、5年くらいするとある程度プラトー。去年くらいから、前年比割れの月もかなり増え始め、今回は明らかに収益は減少に転じている。
さすがに、こっちも順調に年を取っていますから、どうしてもパワー不足は否めない。肉体的・精神的に、開業当初よりはがんばれきれないところはあるものです。
当然、ボスからはそのあたりをやんわりと指摘され、体を鍛えればというお言葉。もっと頑張れということでしょうか。もっとも、ボスの仕事としても、がんばるなと言う事はないでしょうから、ごもっともな励ましの言葉を頂いたわけです。
というわけで、そんないろいろなことを糧にして、また毎日をがんばるしかないと思うわけです。基本的には、医者なんて単純なのかもしれません。