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2014年4月16日水曜日

受難週

4月13日の日曜日は、キリスト教では棕櫚の主日、または枝の主日、受難の主日と呼ばれる日曜日でした。

イエス・キリストが、エルサレムの街に入城した際に、群集がナツメヤシ(棕櫚)の枝を道に敷き詰めて迎えたという成書の話に由来します。

そしてこの日が、受難週、あるいは聖週間と始まりであり、キリスト教徒にとってはキリストの生誕を祝うクリスマスの時期とともに、最も重要な期間となります。つまり、キリストがエルサレムに入った後、十字架に磔刑となるまでの1週間です。

日曜日に死を覚悟してエルサレムに入ったキリストは、月曜日に神聖な場所から聖人強盗を追い出し、火曜日に民衆に自分が神の子であることを告げます。

木曜日から土曜日は聖なる三日間とされ、聖木曜日に最後の晩餐を行い、弟子たちの足を洗いました。聖金曜日は受難日であり、磔形が行われたわけです。聖土曜日には、マグダラのマリアらの嘆きとともに、天使から復活を告げられます。

そこで、これらの聖書の記述を基にした音楽が受難曲と呼ばれ、今週は盛んに演奏されてはきたわけです。J.S.バッハは、もともとマタイ、ヨハネ、ルカ、マルコという4つの福音書による受難曲がありました。

マルコ受難曲は、テキストは残っているものの楽譜は喪失しており、研究者により復活させたバージョンがあるものの、真の姿はわかりません。

ルカ受難曲は、かつてブラームスが「バッハが赤ん坊の時の作品」と指摘していたのは有名ですが、真作ではない事が判明したのは20世紀になってから。他人の曲を、バッハが書き写したことが判明しました。

従って、現代ではマタイ受難曲 BWV244 とヨハネ受難曲 BWV245 の二つが正式なバッハの作品として認知されています。

マタイ受難曲は「人類最大の音楽遺産」とも呼ばれ、劇的要素が多く大規模で演奏時間も長い。それに比べるとヨハネ受難曲の方が、やや低く見られがちですが、その分コンパクトで宗教曲初心者の自分には聴きやすい。

 両者の違いを簡単に理解することは簡単ではなく、聖書をそうとう深く読みこなさないといけないらしい。このあたりについてはいろいろなホームページで書かれているので、ネットをしっかり検索すると少しずつはわかってきます。

とにかく、教会暦に従ってバッハを聴いていくということになると、今週はとってもヘヴィな1週間だということは間違いありません。