車関連、というより自動車産業全体、場合によっては経済界全体としても注目すべき話題はフォルクスワーゲンの驚愕の不正問題。
排出ガスの検査で、基準を上回るNOxを排出しているにもかかわらず、車に搭載しているコンピュータで調整することでテストに合格させていたというもの。
これはディーゼル・エンジンだけの話で、通常のガソリン車やハイブリッド車ではないとはいえ、消費者に与える不信感は想像以上になると思います。
排出ガスのテストではタイヤが回転しない状況なので、この場合にはガス処理システムをフル回転で稼働させるというソフトウェアを搭載させるというやり方で、実際の走行では規制値の7倍、最大では40倍ものガスを出していたらしい。
もともと、去年の春にアメリカの外部監視団体のテストで発覚していたそうで、当初はメーカー名はふせらていたのですが、おそらくVWが認めず、対応がなされないために公表に踏み切ったようです。
こんなことが簡単にできてしまうということは、当然他のメーカー、他の車種でも可能でしょうから、人の健康、地球環境に対する企業利益を追求する悪意を持った手口はどこまで広がっているのかわからない。
VWはリーマンショックの影響も少なく、年々売り上げを伸ばし、今年はトヨタを抜いて世界で最も車を売った会社になることが夏まではほぼ確定していました。今回の不正問題で、当然自滅したわけですが、あまりに残念な話です。
VWの信用回復は、相当に厳しいことになるでしょう。そうは簡単に復権できるとは思えない。自分はトヨタ車ばかりを使ってきましたが、もしもし外車にするならVWだろうなと思っていましたが、完全になくなりました。
化石燃料だけを使用する状況では、現在求められる性能は限界に達していることが明らかになった事件とも言えるわけで、今後は排出ガスの無い電気、水素エネルギーを使用する車社会へのシフトがよりいっそう求められることになりそうです。
あり得ないことが、いとも簡単に起こるのが普通になったら、いったい何を信用していいのかわからなくなります。