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2021年5月25日火曜日

ザ・パシフィック (2010) 2

第5~7話 ペリリュー

レッキーが隊に戻り、同時に新兵も補充されてきました。その中に、ガダルカナル以来の仲間、シドニーと入れ違いのように地元の友人、ユージーン・スレッジも含まれていました。そして彼らは、次なる目的地、ペリリュー(現パラオ)への上陸作戦を開始します。


これまで違って、上陸時の日本軍の海岸からの攻撃は熾烈を極めました。ペリリューにも日本軍の飛行場があり、これを潰すことが目的でしたが、今まで以上に強力な抵抗にあい仲間が次から次へと倒れていきます。

日本軍の拠点を攻撃するためには、丸見えになる飛行場を突っ切らないといけない。スレッジは、仲間と決死の覚悟で走ります。レッキーは最初からの仲間のランナーが負傷したため、衛生兵を探しに戻るところで砲撃にあいます。レッキーはランナーと共に病院船に収容され、帰国することになります。

スレッジらの戦いはさらに続き、新兵だった彼もいつのまにか煙草を吸い、恐怖を感じながら兵士として成長するのですが、中隊長が狙撃され亡くなった時は流す涙が残っていました。

ペリリューの戦闘では、日本軍約1万の兵力は壊滅し、アメリカ軍も数倍の人員をつぎ込みましたが、死亡者・負傷者で1万人という激しい戦いで終わりました。

第8話 硫黄島

バジロンは、帰国してから1年以上戦時国債キャンペーンを続けていましたか、作られた英雄像を演じることに疲れていました。彼は新兵の訓練教官を希望し許可されました。バジロンは、新兵たちが死なないために気迫のこもった訓練を行います。

一方でキャンプのリーナと知り合い、お互いにひかれあいます。除隊まであと数か月だったバジロンは、再入隊して訓練した新兵と共に再び太平洋に出征することを決意します。リーナは受け入れ、二人は結婚式を挙げるのでした。

そして、バジロンが出征した任務地は硫黄島でした。ここでも、彼は先陣を切って勇猛果敢に全身を続けますが、ついに銃撃され倒れてしまいます。

第9話 沖縄

スレッジはさらに沖縄にいました。今までと大きく違う彼らの戦いは民間人がいること。しかし、その民間人でさえ盾にして日本軍は攻撃をしかけてきます。体に爆薬を巻き付けた女性が近づいてきて自爆さえする。

家屋の探索で赤ん坊の泣き声を聞いたスレッジは、瀕死の女性を発見します。女性は、スレッジのライフルの銃口を額に合わせて引き金を引くように願いますが、スレッジはそのまま死ぬまで抱きしめてあげるのです。

そして原子爆弾が投下されたことが伝わり、彼らの戦争は終了しました。

最終話 帰還

レッキーは病院で日本の降伏を知ります。そして、それぞれがついに帰国の途に就きます。リーナは、バジロンの実家を訪ね、父親に彼の名誉勲章を渡し、母親としっかり抱き合うのでした。

レッキーも帰国し、元の新聞社の記者に戻ります。そしてあらためて、一度も着ていなかった海兵隊の青い礼服を着てヴェラに交際を申し込みました。

故郷に着いたスレッジを迎えたのはシドニーでした。家まで送ってもらったスレッジは、静かに家に入り気が付いた両親と抱き合います。しかし、彼は夜は悪夢にさいなまれ、戦勝パーティでも、人気の軍服は着ないで一人でいるのでした。父親と狩猟に出かけますが、スレッジは撃てないと泣き崩れるのでした。

見終わって、最初に感じるのは「バンド・オブ・ブラサース」に比べて、より兵士の心の懐に深く入る内容だということ。新米兵士がいっぱしの兵隊となって戦うようになる時、本当は人間としての理性から大きな葛藤があることを浮き彫りにしています。

こればかりは、実際に経験した者でないと真に理解することは困難。このドラマを作ったスタッフですら難しいことだと思いますが、それでも少しでも真実の戦場の様子を描き出そうとする努力によって、その一部だけかもしれませんが伝わるものがあります。

そして、帰還してからも戦場の恐怖や、戦争とは言え人を殺してきたことの罪の意識などが、兵士たち一人一人に重くのしかかり続けたこともこのドラマの重要なテーマです。

太平洋戦争の話となると、日本人としてはこのドラマを見ることに躊躇を感じました。アメリカ側が描くストーリーですから、当然日本人は悪役です。実際、「万歳突撃」なども映像として出てきますし、民間人を利用するアメリカからすれば卑劣な手段も厭わない。ただ、あくまでの海兵隊に密着したドラマですから、アメリカ側の嫌なところも取り混ぜて、そのあたりの扱い方は比較的公平だと思いました。

スピルバーグとハンクスは、現在、第二次世界大戦をテーマにしたドラマの第3弾を制作中です。タイトルは「Whirlwind(仮)」となっていて、アメリカとイギリスの爆撃機乗りたちの物語です。おそらく来年に完成するものと思われますが、引き続き大きな期待をしたいと思います。