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2021年5月31日月曜日

コンスタンティン (2005)

キアヌ・リーブスは、「ディアボロス」で悪魔の子、「マトリックス」では未来世界の「神」でしたが、今回は悪魔祓いをする探偵という役柄。

もともとの原作はアメリカン・コミックのDCのキャラクターの一つ。ジャスティス・リーグに登場する怪人・魔人に比べると、ややマイナーな「ヘルブレイザー」の主役。

ジョン・コンスタイティン(キアヌ・リーブス)は、本職はしがない探偵。ずっと吸い続けてきた煙草のせいで肺がんを患っていて、実は余命いくばくない。彼は、幼い時から持っている人間に見えない存在が見える能力を使ってエクソシストとして活動しています。今回も、助手のチャズ・クレイマー(シャイア・ラブーフ)を引き連れて、ロサンジェルスの下町で少女に憑いた悪魔を取り払いました。

天国と地獄の間に人間界があり、両端の世界から人間に干渉するためのハーフ・ブリードという存在がいました。本来は人間を操れても人間界に入り込めない悪魔が登場したことに気が付いたコンスタンティンは、調査を始めます。

天国からのハーフ・ブリードであるガブリエル(ティルダ・スウィントン)は、コンスタンティンに、いくら悪魔を退治しても過去に自殺を試みるという大罪を犯したコンスタンティンは死んでも天国には行けないと言うのでした。

アンジェラ・ドッドソン(レイチェル・ワイズ)は、優秀な女性刑事ですが、犯人を銃で撃つ時、そのタイミングがわかってしまう不思議な力がある。同じような能力を持つ双子の妹、イザベルが入院していた病院で投身自殺をします。

アンジェラは、コンスタンティンの存在に気づき接触しますが、悪魔の群れに襲われます。そしてコンスタンティンの協力者たちも、地獄からのハーフ・ブリード、バルサザールによって葬られます。

悪魔ルシファーの息子マモンが、ルシファーに反逆して人間界を支配しようとして、霊感のあるイザベルを利用しようとしていたこと、そのためイザベルは自ら命を絶ったことが判明しました。イザベルの代わりにアンジェラを拉致した一味のもとにコンスタンティンは乗り込みますが、登場した黒幕は何とガブリエルでした。

ガブリエルは、人間が簡単に天国に行けるのは不公平で、マモンを人間界に送り込み、本当に悪魔の手から生き延びたものだけが天国に行けるようにするという計画だったのです。ガブリエルの前に歯が立たないコンスタンティンは、最後の手段として手首を切って自殺します。

それにこたえて悪魔ルシファーが現れ、掟を破ったマモンとガブリエルを倒し、コンスタンティンを地獄に連れて行こうとしますが、コンスタンティンは「自己犠牲」により天に引き寄せられる。天国に取られるくらいならと、ルシファーはコンスタンティンを生き返らせるのでした。

やはり、キリスト教的な感覚が無いと理解しずらい内容です。天国に行ける条件と地獄に堕ちる条件、大天使ガブリエルと地獄に落ちて悪魔となった堕天使ルシファー。彼らの縄張り争いのような世界観は、ある程度聖書の知識を必要とします。

キーアイテムとして聖槍(Spear of Destiny)が登場しますが、これも人間界から悪魔界を開くために必須のものとされています。聖槍はキリストが十字架に架けられたとき腹を刺された槍のことで、キリストの血が付着しているとされるもの。

監督はこれが監督デヴューとなったフランシス・ローレンスで、もともとはそうそうたるミュージシャンのPVを作っていた人。最近では「ハンガー・ゲーム」シリーズや「レット・スパロー」も監督してジェニファー・ローレンスと縁がある。

珍しいことに、長いエンド・クレジットの後に、ちょっと嬉しいエピローグが付いているので最後の最後まで見ることを忘れてはいけません。