2023年11月11日土曜日

ネバダ・スミス (1966)

スティーブ・マックィーンにとっては、「荒野の七人」以来の西部劇で、単独主演です。監督はヘンリー・ハサウェイ。最初にいっておくと、マックィーンが演じているのは、白人とインディアンの混血の16歳の少年・・・ということになっているのですが、さすがにこれは無理があるキャスティングです。そこんとこだけは我慢しないとしょぅがない。

19世紀末のネバダ州の田舎で、白人の父親とカイオア族のインディアンの母親と一緒に、16歳のマックス・サンドが暮らしていました。ある日、父親の昔の仲間だという3人組が水汲みをしているマックスに家の位置を聞きます。3人組はマックスの馬を蹴散らして去っていきました。マックスが家に戻ると両親は三人組によって惨殺されていました。

マックスは家を焼き払い、ライフル一丁と一等の馬を連れて復讐のため三人組を探す旅に出るのです。最初に見つけた三人組は人違いで、結局ライフルも馬も盗られてしまいました。次にであったのは、拳銃を売って歩くジョナス・コートでした。彼は、人を撃ったことがないマックスに銃の手ほどきをして、文字の読み書きなどを教えるのでした。

コートを別れ、牛追いの仕事をしながらアビリーンの町に来たマックスは、酒場でディーラーをしている三人組の一人、ジェシー・コー(マーティン・ランドー)を発見し倒すことができました。ジェシーの妻から、友人のビル・ボードリー(アーサー・ケネディ)という名前を聞き出します。しかし、ビルは強盗をして沼地の中にある刑務所に収容されていることがわかります。

マックスは、わざと銀行強盗を起こし刑務所に送られます。そこでビルを助けて信用を勝ち取ると、一緒に脱獄するように誘いついに二人目の復讐を成し遂げるのです。さらに何年もたって、最後の標的が駅馬車強盗団のトム・フィッチ(カール・マルデン)であることを知ったマックスは、自らフィッチと名乗り彼の仲間が声をかけてくるのを待ちました。

ついに、フィッチの仲間が接触してきますが、何が目的なのかとリンチにあう。そこをザッカルディ神父に助けられ、しばらく教会で過ごすのです。神父は家族をインディアンに皆殺しにされ、たった一人の生き残りでした。神父はマックスに復讐よりも、生き続けることのほうが勇気が重要なことだと話すのです。

教会を出たマックスは、次の仕事に向けて手下を増やそうとしていたフィッチに近づきます。名前を聞かれたマックスは「ネバダ・スミス」と名乗り、フィッチはジェシーやビルの末路を知っており、マックスが現れることを怖がっていました。そしてついに強盗決行の日になるのです。

原作は小説で、16歳の少年が成人するまでの間に復讐のための旅をする話。主人公が人として成長することを描いているのですが、当時36歳のマックィーンは登場した瞬間から大人で、最初に書いた通り台詞のやり取りに違和感が拭えないのが残念。

主人公は最初のジェシーとの対決でマックスを助けるカイオア族の娘により「やさしさ」を知り、ジェシーの未亡人から「裏切り」を学びます。そして、ビルの対決から「自分のエゴ」により協力した娘を死なせてしまう。そして、最後に神父から「復讐よりも大切なもの」を教えられるという流れは、うまくできていて見ている者の共感を得やすいように思います。

マックィーンの冴えたガン・アクションが見れるというところも楽しみの一つ。人気も出てきて、マックィーンの自信もついてきた現れというところでしょうか。