大ヒットした前作から、何と36年ぶりに続編が製作されました。前作で24歳だった主演のトム・クルーズも60歳となり、前作のインパクトをどのように継承していくのか、大変に興味深いところです。実際、トム・クルーズは第1作のイメージを崩したくないため、すぐに始まった続編の計画についてはストップをかけていたことが報じられていました。
今作では監督はジョセフ・コシンスキーで、「オブリビオン」でトムとタッグを組んだことがあります。今回も音楽には当代きっての人気者が名を連ねていますが、前作より音楽に頼る割合は減少しているようです。
マーヴェリックはトップガンの教官となりましたが、現場主義を貫くやっかいな存在であったため、昇進することもなく今ではテストパイロットをする身になっていました。しかし、無謀な飛行で機体を失い飛行禁止になるところでしたが、今では海軍大将となっていたアイスマンの強い要望によりトップガンの教官に復職することになりました。
これは敵国の条約違反のウラン濃縮プラントを稼働前に破壊するため、高度な飛行技術をトップガン生に伝授するためでした。今のトップガンの中には、かつてマーヴェリックの親友だったグースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)がいました。ルースターは、父親の死の責任はマーヴェリックにあると考えていたのです。
ルースターとの確執もあり、不可能に近い作戦の練度をなかなか上げられないマーヴェリックは教官を解任されてしまいます。しかし、マーヴェリックは独断で飛行機を飛ばし、実行不可能と思われた作戦計画のシミュレーション飛行を成功させます。
再び全員の信頼を得たマーヴェリックは自ら編隊長としてルースターらと飛び立ち、プラント破壊に成功しますが、帰路で敵編隊に追い付かれ二人とも撃墜されてしまうのです。脱出した二人は、敵の格納庫にあったF14 トム・キャットに乗り込み、敵の最新鋭機と渡り合いますが、武器を使い果たし絶体絶命になるのでした。
もちろん、メデタシメデタシなので心配はいらないのですが、前作のグースのエピソードをうまくいかしたのは、36年の期間があったからこそというところ。年を重ねたことが自然と描写されて、映画としての厚みを増しました。ただし、懐かしのF14登場はやややりすぎ感は否めません。
今回はマーヴェリックの昔なじみのガール・フレンドとしては、ペニー(ジェニファー・コネリー)という女性が登場して、アクセントになっています。前作のチャーリーとはその後どうなったのか気になるところですが、ケリー・マクギリスは回想シーンのみの出演です。なお、前作ではそれなりに画面に映ったグースの母親はまだ人気が出る前のメグ・ライアンで、こちらも今作では回想シーンのみとなっています。
さすがにプロペラ機と違って、空中戦はド派手。とは言え、時代が時代だけに、今作は実機が飛びまくるというよりは、CGを多用したVFXがメインで使われています。そういう意味では、前作の方がその凄さは本物ですから、軍配は前作に上がるのはしょうがない。
当初は2019年の公開予定でしたが、2020年に延期されたためコロナ禍と重なってしまい、最終的に2022年の公開までずれ込んでしまいました。それでも、興行成績としては大成功をおさめ、批評家からの高い評価を受けた作品となっています。