監督はトニー・スコット。音楽は、多くの人気歌手の曲を用いて、サウンドトラック盤も大ヒットしました。特にテーマ曲にもなったケニー・ロギンスの「Danger Zone」は名曲です。脳外科の先生方のお気に入りだったようで、その頃脳外科用の手術室ではよく映画のサントラがかかっていました。
マーヴェリック(トム・クルーズ)はF-14 トム・キャットのパイロットで、直感的に飛行機を操る技量は天才的でした。そして、相棒のレーダー要員のグース(アンソニー・エドワーズ)と共に、エリート・パイロットが集まる海軍戦闘機兵器学校、通称トップ・ガンに行くことになります。
最大のライバルは自信家のアイスマン(ヴァル・キルマー)で、彼らの教官は史上最高のパイロットと称されるヴァイパー中佐(トム・スケリット)です。歓迎パーティでマーヴェリックはチャーリー(ケリー・マクギリス)に一目惚れしますが、軽くいなされてしまいます。
翌朝の講義に登場した講師は、なんとチャーリーでした。チャーリーは民間人ですが、ミグ戦闘機の専門家でした。そして教官ジェスターを相手にして実践訓練が始まりますが、ルールを無視するマーヴェリックの飛行に対して、ヴァイパーは厳しく叱責するのでした。
チャーリーとの仲が進展する中、アイスマンと成績争いをするマーヴェリックは、編隊飛行でも独断専行し問題児でした。ある日の訓練で、アイスマンのジェット後気流に巻き込まれたマーヴェリックは操縦不能に陥り、緊急脱出の際にグースが死亡するのです。
自身を無くし、すべてを放棄しそうなマーヴェリックでしたが、ヴァイパーらの励ましで何とかトップ・ガン卒業式に出席します。そんな彼らに、インド洋上での緊急出動の命令が下ります。アイスマンらが先に出動しますが、待機にまわったマーヴェリックにも援護の出動が命令されるのでした。
何しろアメリカ海軍の全面協力のもと行われた実機による空中戦などのシーンは見もの。爆破は模型を使っていますが、トム・クルーズは実際に戦闘機に乗っての撮影だったそうです。しかし、撮影中にスタントパイロットが一人亡くなったというのも、撮影が危険であったことを物語ります。
ある程度、軍隊がらみの青春ものとしてはステレオタイプであったせいか、公開時に目立った賞は受賞していませんが、トム・クルーズ人気と共に不動の名作として評価されるようになりました。