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2024年5月11日土曜日
PHEVから楽 15 CHGモード
PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)は、HEV(ハイブリッド車)よりも多く、そしてBEV(電気自動車)よりは少ない電池を搭載しています。従って、BEVのように電気だけでの航続距離は数百kmとはいきませんが、数十kmはガソリンを使用せずに走ることができます。
ですから、週に1、2回の充電を厭わなければ、日常使いについてはガソリンをまったく使用しない。でも、電欠になってもガソリンでエンジンを動かすことができるので、その安心感は最大のメリットになります。
電気ばかりで走れば、従来から車の性能として重視してきた「燃費」という概念は意味が無くなってしまいます。なにしろガソリンを使わないのですから、燃費は計算不能ということです。
プリウスをはじめ、トヨタのほとんどのPHEVでは走行中のエネルギーの使い方を、3つのモードから選択できるようになっています。デフォルトはEVモードで、充電量が十分あるうちは、できるだけ電気だけで走ることになります。比較的モーターが苦手とする高速域でも、基本的にはエンジンが始動することはありません。
スイッチ一つを操作することで、これがHEVモードに切り替えります。これは、普通のハイブリッドな走行をするモードで、従来通り、低速ではモーターで走り、速くなったり強めにアクセルを踏むとすぐにエンジンがかかるというもの。ただし、電池容量に余裕があるので、通常のHEVに比べるとEV走行の比率が多めの印象です。
HEVモードでは、ガソリンを消費するので燃費が計算できる。プリウスではWLTCモードで26.0km/Lという数字が公表されています。実際に走ってみると、自分の生活圏は坂道が多いので、さすがにこの数字を達成するのは難しく、だいたい20km/L前後というところでしょうか。
それでも、HEVとしては先代までのプリウスに劣るとはいえ、標準的な燃費でガソリン車よりははるかに燃料消費は少なくて済みます。同じ走るなら、少しでもCO2排出量が少ないにこしたことはありせん。
そして、この切替スイッチを長押しすると、3つ目のモードに切り替わります。それがCHGモードで、CHGはチャージの意味。基本的にはエンジンを回し続けて、ひたすら走りながら電池を充電するというモードです。簡単に言えば、昔ながらのガソリン車として走るという状態で、アイドリング時もエンジンは動いています。
つまり、プリウスと同じ形・同じ重さのガソリン車ということになり、この場合燃費はどうなるのでしょうか。同じクラスの自動車と比べて、電池の分だけ車体重量がかなり重くなりますので、燃費はだいたい6~8km/L程度になってしまいます。
これは、より大型のランドクルーザーなんかと同じくらいの数字。さすがに、この数字で走り続けることはあまりに無駄というもので、低下した電池容量を回復させたい場合以外では使用する意味がありません。
実際には、電池容量が80%以上ある場合には、CHGモードには入れないようになっているみたいで、長押ししてもキャンセルされます。しかし、モードが使える場合は、けっこう短時間で充電量が増えていき、急速充電ほどではありませんが、家庭で行う200V・15A充電よりは早いという印象です。
とはいえ、どうしてもEV走行したいという場面以外では、わざわざガソリンを大量に消費するメリットはありません。そもそも、そういう場面は通常の運用ではほぼ想像できない。つまり災害とかの緊急時に、積極的に外部へ電気を供給したい場合の対策といえそうです。