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2007年11月3日土曜日

正しいテニスのお作法

ヒンギスがコカイン!? ほんまかいな。
年をとってくると、かつての女王も若いシャラポアのパワーに対抗するためにはクスリが必要だったのかしらん。でも、そんなことがあっても不思議はないですよ。かつてのナブラチロアだって、マッスルマシーンと化していたではないですか。いろいろなステロイドなんかを使っていたに違いない。きっと今頃は体はボロボロでしょうけど。

何度でも書きますが、今では誰も信じてはくれませんが、自分は大学の硬式テニス部の主将だったのであります。今では、見る影も無く、ちょっとでも走れば息ぎれして心臓はバクバク。とてもあざみ野棒屋先生のようにはいきません。

しかし、しかしですよ、商売柄スポーツの障害による問題の相談に来られる患者さんがけっこういて、もちろんテニスならこっちも得意ジャンルですから、白熱したラリーが診察室で展開するわけです。
そこで、いつもいうセリフ。「スポーツの基本がなんで大切かわかりますか? 基本とはケガをしないで最大の効果を発揮する方法のことなんですよ」

スポーツは、いろいろな人がひとつひとつの競技を発展させ、安全に楽しむためにバージョンアップしてきたわけです。大きな要素の一つはルール。そしてもう一つは肉体の使い方。

最近テニスをしている子供さんが続けていらしたのですが、話を聞くとフォアもダブルハンドの両手打ちで指導されていて、それが普通らしい。確かに非力な子供が強い球を打つためには両手は効果的かもしれませんが、でも、でもですよ、両手をグリップにかけてしまうと、リーチが窮屈になって大きなテイクバックとしっかりしたフォロースルーができないでしょう。

テイクバックができないとパワーは半減。またドライブなどの球の回転もかけにくい。体はオープンスタンスになりやすく、まっすぐ前へフォロースルーができないとボールの方向が定まりにくくなる。そうすると、パワーを補い回転をかけるためには、インパクトの瞬間に手首でボールをこねるしかありません。結局、肘の外側が痛くなるテニス肘を起こす、手首周辺の腱鞘炎を起こすなどの問題が出てくるんですよね。

またかよ、と思っている方もいるでしょうけど、やはり基本をおさえて初めて応用が生きてくるという気持ちから、もう一度書きます。踵は地面に付けずに、どの方向へも踏み出せるようにして待ちます。ボールが来たら、すぐに横向きになってしっかりテイクバック。膝をしっかり曲げて腰を落としてスイングの体勢を作ります。手首をこねずに、しっかりとラケットを振り、体の少し手前でインパクト。膝の伸びでラケット面を下から上に移動させてボールにドライブかける。そのままラケットはボールを打ち返す方向に投げ捨てるように、あるいはボールをそのまま運んでいくようにフォロースルー。すぐに正面に向き直り、次のボールに対する準備。

ラケットが大きくなってスイートスポットが広がり、どこに当たってもボールが返るようになったことが、テニスを大きく変えてしまいました。自分は、やっぱり古い奴なのかもしれませんね。