4月1日に始まった後期高齢者医療制度については、都筑区ドクターブログでもたびたび話題に上っています。制度がスタートしてからフクダ総理の「名前を変えましょう」発言など、もうボロボロで、いったいどうしたいのか訳わからん状態です。
Dr.Mは昭和の日本医師会町武見太郎のような強い発言力の必要性を書いていました。もちろん、武見太郎氏については賛否両論あるでしょうし、医者だけが暴走してもしょうがないのですが、もう少し医師会としてのしっかりとした意見を表に出すべきであろうことは容易に感じることができるのです。
そういう意味で、今日のニュースの中で、茨城県医師会が都道府県レベルの医師会で初めて、制度撤回を求める声明を発表したということは、医者としては多いに注目すべきことだったのではないでしょうか。
今の政治に対して明らかなNOを突きつけることは、大変な勇気が必要だと思います。たぶん茨城県医師会内でも、いろいろな意見が出ていることと思います。
総理大臣の発言からして結局政治は始めに医療費を抑制ありきで、実際の国民のことを考えていないことは火を見るより明らかになっています。現場の患者としての国民の混乱などは、始めから予想されていたことで、実際に始まってからあたふたしている様子は何を今さらという感じです。
これからの高齢者が増加し続ける日本で、よりお金のかかる高度な医療を提供していくことを考えれば、より無駄を省くことは必要ですが、医療費はむしろ増やしていくことは必要最低限の政治サービスではないのでしょうか。国民に向いていない今の政治は、何に向いているのでしょうか。
そういうやり方に迎合するだけの医師会であれば、会を作っている目的の多くは無いも同然なのかもしれません。茨城県医師会の行動は、医師会の今のあり方に対して一つの問題提起として大きな意味があります。
ただの政治圧力団体であってはならないのですが、実際に地域の多くの健康維持事業に協力をしているからには、もっと医師会の存在を一般の方に知ってもらい、医療を良い方向に持って行くための行動を取ってもらいたい物だと思ってしまいます。自分たちも明日の高齢者なのです。
あざみ野棒屋先生もいうように、こういう政治ネタは落としどころが難しいので、あまりくどくど書きたくないという気持ちもあるのですが、まじめにやればやるほど苦しい今の医療って、一体何? という本音をどこかで出さないと息がつまりそうです。