2009年3月8日日曜日

優秀なコンサルタント Part 2

横浜市都筑区は昨年末の統計で約19万人の人口です。そこで厚生労働省の発表している受療率、つまり1日に病院や診療所にかかった10万人あたりの患者さんの数から都筑区内の患者さんの数に置き換えてみることにします。まず、全国平均では外来の受療率を見てみましょう年齢は10歳きざみ、または15歳きざみで整理してあります。

小児はかぜや喘息などの呼吸器の病気と、腹痛などのおなかの病気が圧倒的に多いことがわかります。当然、10代は最も元気で病気は少ない。全般的に50歳を過ぎると病気の人が増えてくるということが見て取れます。

科ごとで考えるのは、けっこう難しい。眼科や耳鼻科、あるいは精神科は比較的テリトリーがはっきりしていますからわかりやすいのですが、例えばあざみ野棒屋先生の場合はどうでしょうか。

泌尿器科についてはXIV 尿路生殖器疾患の中の「その他の尿路生殖器疾患」が外来での守備範囲になるわけですが、皮膚科についてはXII 皮膚・皮下組織疾患の大多数が入るのはいいとして、I 感染症・寄生虫症の皮膚疾患も入るでしょうし、よーく見ていくと実はそれ以外にも多少関係がありそうなものがあったりするのです。

自分の整形外科の場合は、XIII 筋骨格系・結合組織疾患の大多数とXIX 損傷・中毒などの中の骨折も忘れてはなりません。それ以外にも神経系疾患や新生物なども関係してきます。内科になると、もう自分のテリトリーを選別するのは困難でしょう。ほとんどすべてが含まれるといっても過言ではありません。

ですから、あまりこのような統計に頭を悩まし過ぎると、見るべきものが見えなくなったり、見えないものが見えたりするので、ほどほどにしておくことが意外と大事。

さてあざみ野棒屋先生の説明に従って、都筑区の患者さんの数を算出してみましょうこれは受療率ではなく、実際の推定患者数です。例えば、眼科の患者さんは、全部で1140人。
都筑区内には医師会に所属していて眼科を標榜している医療機関は区内の大学病院も含めて11軒ありますので、1施設あたりの1平均は100人ということになります。

ただし、都筑区内の全住民が都筑区内で受診するとは限りません(流出人口)し、周囲の地域から受診する方もいるでしょう(流入人口)。また、医師会に入っていない施設もあるでしょう。眼科は一般的には患者単価は低めの科ですので、やはり経営的には数をこなさないといけないというところでしょうか。

さぁて、これから先は興味のある方は自分で考えてください。自分が開業する場所から半径500m、あるいは1kmなどの中に含まれる町名を調べれば、町単位の人口もインターネットで公表されていますので計算できることができます。さすがに、そこまでの細かいことは開業前準備期間の時間のゆとりのある時にしかやっていられません。これは、自分が開業する時に、インターネットだけから得られた資料からいろいろ計算をしてみた時のデータ。もちろん、誤りもあると思いますが、とりあえず自分を納得させるための資料としては役に立ちました。これだけ見ていると、緑区や宮前区で開業する方が、きっと楽だったかもしれないと思います。

でもね、自分の専門性、つまり関節リウマチという病気の発症年齢を考えて、比較的若い街でもいいと思ったんですよね。それから、手足の不自由な方にとって、駅から近いこと、駐車場をしっかり確保できることも大事な条件だったんですよね。

ですから、開業場所の条件というのは、多角的な方面から検討することが重要です。でも、都筑区は本当に大変ですよ。実際、駅前でも空きテナントのビルが山ほどありますし、医療機関の密度の高さは患者年齢の低さとともに全国一を争えるレベルだということは間違いありません。