一般の方には、医療の値段というのはわかりにくいものです。そういう自分たちも、ころころかわるので理解するのに精一杯なのです。そういう中で、経営的な視点から、収益を考えていくのは本当に難しい。
まず、患者単価という考え方があります。これは、一人の患者さんからいくらの支払いがあるかということです。整形外科では、一般的には2500円から3500円くらいでしょうか。内科は検査などがあるので、一般に高くて5000円前後ではないかと思います。
整形外科で患者単価が低いのは、物理療法といって牽引や温熱治療をする患者さんが多いことが理由に挙げられます。この場合、再診料710円と消炎鎮痛処置350円という組み合わせの値段になり、あわせて1060円。3割負担の方だと、窓口でお支払いいただくのは320円ということになります。
ちまたにいろいろあるマッサージなどは、当然自費で数千円の値段がかかるわけで、もちろん比べてもしょうがないのですが、だいぶ安い。
ただ、この場合には診察は簡単にすませられるので、数をこなすことができるということになります。ですから、通常の診察をする人と物理療法をする人との比率というのを考えなければなりません。
物理療法を多くすると、患者単価は下がり、とにかく患者数を少しでも確保しなければならない。さらに、機器のセットをする担当者が多く必要になるため、人件費も増えることを忘れてはなりません。
通常の診察を多くすると、患者単価は上がりますが、数をこなすことが難しくなる。そこらへんのバランスを考えないと、税理士さんに怒られてしまいます。
このあたりの統計的な資料というのはなかなか表に出てこないものです。うちのお願いしている税理士さんに聞くと、だいたい通常診察1に対して物理療法2くらいが普通じゃないかということでした。つまり、1日に100人患者さんが来る流行っているクリニックでは、通常の診察は30~40人ということでしょうか。
今日は雪解けでいまいちの天候で相変わらず患者数が少なく、やっとこさ50人という状況でした。通常の診察といえるのは、そのうち35人。ということは、診察の方が圧倒的に多いと言うことです。これは。関節リウマチという病気を専門にしているということも関係しているわけですが、比較的患者単価は下がらないですむわけですから、悪いことではありません。
まぁ、そんな経営的なことは忘れて赤ひげ診療ができることが理想的なところはあるんですけど、何しろ生活がかかっているものですみません。