整形外科クリニックの停電マニュアルなんてものは・・・やはり、ありません。
生命にかかわる機器を使用しているわけではないので、自家発電のような大げさなものは不要です。でも、昨日経験して、なるほど、ある程度の心構えというか準備は必要であることを実感しました。
特に、電子カルテを使用していると、クリニックの生命線はパソコンにあるわけですから、これがつぶれたらアウト。そして、レントゲンも、手作業で現像・定着作業をしているわけではないので大事なところです。そして、物理療法に使用しているいろいろな機器についての対処も確認しておく必要があります。
まず、電子カルテ。サーバーにしているパソコンは、まさに心臓なので、ふだんのデータのバックアップはたくさんあるにこしたことはありません。うちでは、サーバー自体がRAID構成にしてあるので、リアルタイムにサーバー本体にバックアップを取っています。
それから、別のパソコン2台にデータを1日に1回バックアップします。それと、すぐに使えるように電子カルテ一式をインストールした、ふだんはまったく使わないパソコンを1台用意しています。
ただし、これらはパソコンがクラッシュした時の対策。停電ではほぼ完璧にお手上げになります。
サーバーはデスクトップなので、無停電装置を設置してあるので、停電の時はシャットダウンするしかありません。この時に現在クリニック内にいる患者さんのリストなどをメモするしかない。
できるなら保険証情報も書き留めておく。昨日も、何かの時のためにまっさらな処方箋の紙は用意していたのですが、保険証情報が確認できずに使えませんでした。
受付やリハビリ室で使用しているクライアント専用の3台のパソコンはいずれもノートタイプ。こういう時ノートタイプはバッテリー内蔵なので、とりあえずいきなり落ちる心配はありません。古くなってそんなに長時間は持ちませんが、冷静にシャットダウンする時間は十分です。
さて、問題はレントゲンです。もしも撮影後の読み取り中だと、途中でストップです。これは復旧してもたぶんあきらめるしかない。読み取り途中の停電は、下手をすればCRカセットも駄目になるかもしれません。しかし、こちらには無停電装置のような物は設置できません。
レントゲン画像を管理するサーバーには無停電装置を設置していますので、送られてきた画像の整理までは大丈夫。データ保存用の1GBのHDDはバックアップ用と併せて2台。クラッシュした時のためにさらの同型のHDDを1台用意しています。ここまで用意したら、あとは謝るしかありません。
電子カルテ&電子レセコンでは、会計もできませんし、だいたいレジが動かない。手作業でやることはできなくはありませんが、かえって間違えたら後が面倒です。基本的には、治療の途中だったかたからはお金をいただくわけにはいきません。終わっている方は、次回来院することがあったときに精算させていただくしかないでしょう。
今回はたまたま昼間だったので暗くて困ると言うことはほとんどありませんでしたが、夕方以降だと懐中電灯が必要です。今までは、診察用の小さな物が2個あるだけですが、用意しておくようにしたいと思います。
100%というわけにはいきませんが、小さなクリニックでも危機管理対策が必要であることをあらためて思い知らされた一日だったわけです。