さて、WHOはついに新型インフルエンザの世界規模の拡大を考慮し、PHASE 6を宣言しました。これは、新しい「病気」として、当分の間気が抜けないと言うことを意味しています。
日本では、やや出だしでのヒートアップに対する反省から逆に妙に冷えてしまい、今回のPHASEアップについても意外と話題になりません。このあたりは、メディアのあり方に大いに疑問を感じるところです。
確かに、弱毒性であり重症感はありません。しかし、国内では梅雨時になって湿度もだいぶあがっているのに発生はそれほど減っているとは思えません。今でも、集団感染による学校閉鎖などが断続的に行われています。
神戸市長は、経済的損失を抑えるために終息宣言をするように国に要望するという、いかがなものかというような対応をしています。
しかし、一番の問題は新型インフルエンザの拡大のPHASEの定義が、強毒性を前提にしているという点にあります。拡大の地域的な範囲だけで、行動規制をすることにそもそも無理があったわけです。
発生後の重症度と治療に対する反応性なども考慮した、実質的な危険度を策定して警戒レベルを修正していくような考え方をしないと、いろいろな矛盾が拡大していくように思います。
もっとも、今回の新型インフルエンザについては、発生したのがメキシコからという点が、いろいろな誤解を起こす原因の一つにありそうです。あまりの死者数の多さに、病原体の毒性に対して謝った理解をさせたことは否めません。
とにかく世界規模での警戒が必要なことは間違いないわけですから、基本的な対策は当分の間継続していくしかなさそうです。