フランク・ジョーブ医師が亡くなったそうです。
一般の方は、誰、それ? と思われるかもしれませんが、整形外科医やスポーツ選手、特に野球選手には大変有名なアメリカ人でしょう。
大リーグ投手のトミー・ジョンの肘関節の靭帯再建手術を行い、投手として復活させたことから有名となり、ドジャーズではずっと医療コンサルタントとして、ずっと選手をケガから守るために尽力したということです。
そのため、数々のスポーツ選手から診察をオファーされました。日本人でも、村田兆治、荒木大輔、桑田真澄らが同様の手術を受けるために渡米しています。
80年代~90年代は、有名なスポーツ選手はことごとくジョーブの研究所に行くというのが、ある種のステータスだったと言えます。
同じ手術は日本でも、まったく問題なく行われていましたので、当時なんでわざわざアメリカまで行くのかと思ったものでした。
90年代にフランスの国際学会のオブションでディナーに参加した際、ジョーブ医師の隣席になったことがあって、話を聞いた事があるんです。
診察を希望してやってくる患者さんが多すぎて、ほとんどは自分のスタッフに治療を任せているというようなことを言っていました。特に関節鏡を使用しての侵襲性の低い手術が増えてきたので、それらは自分ではやらないようでした。
それでも、スポーツ整形外科、特に上肢外傷の分野における功績は高く評価されるもので、ひとつの時代を築いた人物として記憶されるべきだと思います。
合掌