2020年1月21日火曜日

Hermann Scherchen / Mahler Symphony #7 (1953)

爆演王、三度降臨!! ・・・というわけで、ヘルマン・シェルヘンの話も3回目。

とは言っても、マーラー交響曲第6番、第9番のように狂気じみた速さで駆け抜けるわけではなく、今回は第7番で、どっちかと言うと、この曲の演奏としてはいいんじゃないかということで。

まだまだ修行が足りないと見えて、第7番はいまだに理解できないでいるんです。たぶんここで言う「理解する」というのは、基本的な構成が頭に入って、主旋律を続けて口ずさめるということじゃないかと思います。

この曲の場合、マーラーにしては珍しく「夜の音楽」と副題がついている第2、第4楽章に気持ちが行き過ぎるせいか、最終の第5楽章のどんちゃん騒ぎとのバランスが頭の中でいつまでたっても合わせられない感じがしています。

何度も聴いていると、特別につまらない曲だとは思わなくなってきているので、もう少し時間がかかりますが、馴染める予感はしています。

さて、一般に手に入るシェルヘンの第7番は3種類あるんですが、今回「いいんじゃないか」と思ったのは、タイトルにした1953年の物じゃなくて、1965年のトロント交響楽団との録音。残念ながら、年代の割には音質は良くない。全体にこもった音で、ダイナミックレンジもかなり狭めの印象です。

演奏時間は、18:40 - 12:57 - 8:23 - 13:04 - 16:40、全体で69:44です。

何だ、やっぱり爆速じゃん。まぁ、確かにそうなんですけど。クレンペラーの100分越えは別格として、通常は80分程度。

早めが多いネーメ・ヤルヴィだと
20:46 - 12:59 - 9:14 - 9:57 - 17:11、全体で70:07であまり変わらない。ただし、実際に聴くとかなり印象は違って、シェルヘンの方がかなり早い印象を受けるのは、はっきり言ってオケが下手でついていけてないということ。一番最後は鐘の音なんて、バラバラしすぎてせわしない。

ですから、とても名演として他人にお勧めするわけにはいかないんですが、あくまでもシェルヘンのマーラーとしては「いいんじゃないか」ということです。全体に速い事で、最後のどんちゃん騒ぎの違和感が少なくなりました。

ということは、その逆を考えているのがクレンペラーということなんでしょぅか。全体を遅くして最終楽章を浮き上がり過ぎないようにした・・・とは言っても、シェルヘンの後に聴くと、レコードの回転速度を間違えたのか(懐かしい表現!!)という感じ。

ちなみにタイトルにした1953年のシェルヘンはウィーン歌劇場管との演奏で、77:57という普通の時間。オケも落ち着いて実力を発揮していますが、逆に特にこれという特徴は無い普通に聴ける演奏になっている感じです。古い割に音質は良好。

もう一つはウィーン交響楽団との1950年の録音ですが、これはまだ聴く機会がありませんのでノーコメントです。