2024年11月20日水曜日

ロボコン (2003)

つくづく青春とは一つじゃないなぁ、と思う映画。高校生が目指すのは高専ロボット・コンテスト、通称ロボコンの優勝です。実際に毎年行われていて、もしかしたら未来を決定づけるよなものが登場するかもしれません。監督・脚本は古厩智之。

徳山高等専門学校、通称徳山高専に通う葉沢里美(長澤まさみ)は、成績も悪く何事にも興味が持てない毎日を送っていました。ロボット好きの図師先生(鈴木一真)は、そんな里美にロボット部に入ってみろとすすめます。

徳間高専には、部長の豪原(荒川良々)が率いるエリート的なロボット部Aがありましたが、図師先生が連れて行ったのは自分が顧問を務めるロボット部Bの方。部長の四谷(伊藤淳史)は知識欲は旺盛だが引っ込み思案。設計を担当している相田(小栗旬)は、実力はあるが他人に感謝することを知らないわがままな人間。そして工作担当の竹内(塚本高史)は、器械の扱いは天才的ですが、遊び優先でろくに部に顔を出さない。

そんなやる気が見えない連中に憤慨する里美でしたが、操縦を任されるとその面白さに気がつきます。ロボコンでは、各自が作ったロボット(人間型ではありません)を操作して箱を積み上げることで勝敗が決まります。地区予選ではAチームが優勝し全国大会が決まります。Bチームは敗北しますが、審査員推薦枠で全国に行けることになるのでした。

竹内もやっと本腰を入れてロボットをさらに仕上げることにしたので、やっとメンバーがそろいます。4人は、図師先生の合宿をしようの一言で、海辺の旅館に出かけ昼は旅館の手伝い、そして午後はロボット制作に集中し、しだいに仲間としての絆が深まっていくのでした。

長澤まさみ、1987年生まれ。小栗旬・塚本高史、1982年生まれ。伊藤淳史、1983年生まれ。ですから、主要キャストは、この映画撮影時には全員が十代。伊藤淳史だけは、ほとんど現在と変わっていないというのは、ある意味驚きです。長澤まさみは初めての主演作品で、ファン曰く「一番可愛い」らしい。

とは言っても、とにかく残念感が強い映画と言わざるをえない。責任は脚本も担当した監督にあるのは明白。せっかく「ロボット」という面白い素材を使いながら、その魅力が伝わってこない。いつでもその大きな全体像を映そうとしているのか、ロボットを作ることの精密さや動きの面白さがあまりよくわからない。

特に後半の全国大会の数試合の様子などは、観客席からの撮影がほとんどで、まるで実際の試合の中継を見ている感じ。すべて長澤まさみが本当に操作したとのことですが、そういった臨場感が伝わってきません。設計図ばかり書いている小栗旬も、その図面がよく見えないので、やはりすごさが実感できません。

また、台詞のやりとりでも妙な間がたくさんあって、なかなか盛り上がれない。もっと、彼らが「乗り越えていく」演出の仕方があっただろうにと思ってしまいます。音楽は会話を邪魔しない程度のでてくるのですが、これももや~とした音楽であまり感心しません。まぁ、そんなところをがまんして、キャストの新鮮さ楽しむ映画というところでしょうか。