町山警察署町山交番勤務(通称ハコヅメ)の新人警察官、川合麻依(永野芽衣)は、交通違反を取り締まれば文句を言われ、犯人を追いかけると体力が追い付かず、仕事に嫌気がさして辞表を出そうとしている毎日。そこへ、刑事課でバリバリに任務をこなしていた藤聖子(戸田恵梨香)が指導員として交番に配属されてきましたが、これは後輩へのパワハラによる左遷と噂されていました。
交番の所長(通称ハコチョウ)は伊賀崎警部補(ムロツヨシ)で、楽に仕事をするのが得意で日頃の川合の悩みも軽く受け流してしまうのでした。捜査一課には藤の同期で、警察学校以来の言いたいことを言い合える源(三浦翔平)、そして源のペアで新人刑事の山田(山田裕貴)、藤のかわりに一課に配属された牧高(西野七瀬)らが、いろいろとドラマを盛り上げています。
主に川合の成長がストーリーを進めているのですが、一番の中心となるのは、何故藤が左遷されてきたのかというところ。以前、藤の同期の桜しおりがひき逃げされた事件があり、なかなか進展しない捜査のために自ら移動してきたのです。それは、川合が桜に似ていたため、再び犯人が現れるのではないかと考えたからだったのです。
基本的にはものすごくテンポの良いコメディで、コロナ禍での撮影でしたから、いろいろと苦労も多かったことと思います。警察物というと、ほとんどが刑事がメインだったりしますが、交番が舞台というのは目新しい。
交番勤務の巡査というと、ある意味われわれ一般市民には一番身近な警察官です。彼らの仕事の理解にもつながって、なおかつ適度な笑いとほのぼの要素が丁度よくミックスされている佳作と思います。
戸田恵梨香と永野芽衣のコンビもなかなか良い。この二人は、ほぼ同時期に映画「母性」で親子として共演していて、そっちはかなりシリアスな展開の作品です。