青春っていいなぁ。おっさんが今更言うのは恥ずかしいところもありますが、スポ根性と応援する気持ちと、そしてせつない恋愛要素がバランスよくミックスした、青春映画のいいとこどりみたいな作品です。
原作は人気の高い河原和音のマンガで、「フォルトゥナの瞳」の三木孝浩が監督、「くちびるに歌を」の持地佑季子が脚本を担当しました。
引っ込み思案で、すぐにうつむいてしまう癖のある小野つばさ(土屋太鳳)が入学したのは白翔高校。楽器未経験のつばさは、経験者ばかりが集まる名門吹奏楽部にトランペットで入部を希望します。同級生の山田大介(竹内涼真)は野球部に入部し、二人はそれぞれの夢を叶える約束をするのでした。
つばさは3年生の森優花(志田未来)に個別の特訓をしてもらい少しずつ上達はするものの、定期演奏会では怖くて音を出せませんでした。そして、大介も地区大会決勝で自分のミスが原因で敗退してしまいます。その試合は吹奏楽部も応援に駆けつけていましたが、グランドで呆然としている大介に向かって、つばさは一人でルールを忘れてトランペットを吹いてしまい謹慎させられることになります。
大介はつばさにトランペットを吹いてくれたことのお礼をし、これからもともだちとして応援してほしいと言います。つばさは勇気をだして「ともだち・・・じゃなくて・・・」と告白しますが、大介は今は甲子園に行くこと以外は考えられないと伝えるのでした。
そして、二人は3年生になりました。大介はキャプテンとして、つばさも初心者の1年生を教える立場になっていました。しかし、つばさは吹奏楽コンクールのメンバーから漏れてしまいます。そして大介も練習試合で足首の骨折をしてしまい、「甲子園に絶対行く」、「甲子園でトランペットで応援する」という二人の夢に赤信号がともるのでした。
吹奏楽を厳しく、でも部員の事をやさしく見守る杉村先生に「スイングガール」で「のだめ」だった上野樹里というキャスティングも気が利いています。前半のもしもじ子さんの土屋太鳳は、やや演技がわざとらしい感じがしますが、後半のひたむきで努力し続ける頑張り屋の演技で帳消しにしています。竹内涼真は野球だけのドラマだったら暑苦しいかもしれませんが、比重が1/2なのでこちらも丁度良いところ。
主役の二人については、とても感情移入しやすい作りなので、野球の試合も吹奏楽のコンクールも自然と応援したくなる。べたべたし過ぎないところも好感が持てるところで、原作は未読ですが脚本の作りが素直でツボをしっかりおさえているというところでしょうか。
結末も、想像通りのハッピーエンドなんですが、野球の結果で本編を終わりにしたのは正解。吹奏楽の結果までしっかり入れると、冗漫になりすぎると思います。エンドロールの中で、さらっと結果だけ見せるというのはうまい方法でした。