2025年5月15日木曜日

Leslie Howard / Franz Liszt Complete Piano Music (2011)


クラシック音楽のCDを集めていると、ボックスセットが多くなる。何故つて、とにかく安いからです。昔のレコードの時代も、ポップス・歌謡曲が1枚2000~2500円だったのに対して、クラシックは1000~2000円の者が多かった。CDの時代になっても、ちょっと古い録音で、同じ作曲家や演奏家のものをまとめた全集がたくさん登場しましたが、1枚につき100~200円くらいという価格破壊で、いくらでもボチっとしてしまえそうな感じです。

とはいっても、何年もかかって一枚ずつ作った全集が完成した直後に発売される場合は、そんなにバーゲン価格というわけにはいきません。所有しているボックスセットの中で、一番高価だったのは、国際的に評価が高い鈴木雅明によるバッハのカンタータ全集で55枚組で10万円。一枚1800円くらいなので単売を買うよりは安いとはいえ、これはさすがに悩みまくりました。

じゃあ、一番枚数が多いのはというと、レスリー・ハワードというイギリスの音楽学者兼ピアニストが作り上げた、フランツ・リストの前人未到の記録的なピアノ独奏曲全集で99枚組です。リストと言えば、ショパンと並ぶピアノ・クラシックり巨匠ですが、普通の全集というとCDで15枚ほどです。


それが何で8倍くらいの量になっているかと言うと、異稿、改定稿、他人の曲のピアノ演奏用編曲などを集めまくったから。特に多いのはシューベルトの歌曲や、オペラの有名曲のビアノ独奏版です。一般によく知られている超高難易度の「練習曲集」などは数種類含まれていたりします。

つまり、超超超超超超・・・マニアックな全集なのです。録音としては、ここでしか聞くことができない曲が大量に含まれていて、大百科事典と言っても過言ではありません。

実際どうなのか・・・自分の耳には、どこが違うのかよくわからない同名異曲や、編曲版はあまり面白くはありません。素人の耳にも、とにかく弾いてみた的なやっつけ仕事のような演奏もあったりするので、研究者でもない限りまったく聴く必要はなさそうな感じがします。

購入してから10年以上経ちましたが、正直に言うといまだに有名曲を中心に1/3程度しか聞けていませんし、残りを聴く気力も湧いてきません。こうなると所有欲を満たすだけになってしまっていることは否定できません。

さぞかしプレミア価格になっているかと思うと、Amazonでも現在は中古ですら売られていないのでよくわかりませんが、あまりニーズはなさそうなので期待はできないかもしれません。