2010年1月24日日曜日

Pietro Spada / John Field Complete Piano Works

ジョン・フィールドという人、あまり知られていない。う~ん、誰だ、それ。

名前が安っぽいせいか(いや、失礼)、19世紀の初頭に活躍した方なんですが、クラシックの作曲家としては佐藤太郎みたいな名前で、なんともインパクトが少ないのです。

しかし、知る人ぞ知るみたいなもので、実は「ノクターン」の創始者としてピアノ界では大変有名なのです。ノクターンというのは日本語では「夜想曲」。ほとんどショパンの代名詞のような感じですが、他にはフランスのフォーレやドビッシーのものが有名。

最初は名前からしてアメリカ人かと思っていました(確かアから始まる国の出身だと思ってたんです)。でも、なんか違うなぁと思って、調べたらアイルランドの間違い。アイルランド好きの人からは怒られそうです(ゴメンナサイ)。最後はロシアに渡って無くなったようですが、やっばりヨーロッパのテイストでした。

以前から、自分の頭の中では聞くべき音楽リストに含まれていた物の、何となく後回しになっていて、最近やっと手に入れました。

マニアが喜びそうなピアノ独奏録音が多いピエトロ・スパーダの演奏による独奏曲全集で、1996年に発売されたCD6枚組になります。最近廉価版レーベルのBrilliantからピアノ協奏曲全集が出たので、併せていつものHMVでそろえてみたわけです。

さて、その有名なノクターンは全部で19曲あって、その大多数が長調で書かれているというのも面白い。下手な演奏だと、ただのサロン・ミュージックになってしまいそうです。スパーダの演奏は、甘すぎず適度に抑制がきいていて、安っぽくなっていないところがいい。

ベートーヴェンの深遠な世界もいいのですが、ショパンのロマンチックな響きも悪くない。リストの超絶を満喫してもいいし、シューベルトの深刻な顔を思い浮かべたり、シューマンの妻クララとの愛の語らいを想像してもいい。でも、あまり寂しくない一人の夜はフィールドが合いそうです。