浦沢直樹のコミック「20世紀少年」のタイトルのヒントになったのは、T.REXの20th Cantury Boyという曲であることは有名な話。
今年コミックが映画化され、そのテーマ曲として選ばれたのは当然オリジナルの演奏。35年を経てシングルCDが発売され、またもや少年時代のいろいろな思いが戻ってきた感じです。
1970年から1973年くらいまでの数年間、グラムロックというジャンルが人気を誇っていました。Gramalous Rockということで、演奏よりもむしろ化粧して美しく着飾った、今で言うイケメン・ミュージシャンが「なんとなく」のりのよい音楽を演奏するというもの。代表がT.REXのマーク・ボラン、デビッド・ボウイといった方々でした。
20th Century Boyは人気があった最盛期に来日時に日本のスタジオで録音されたそうですが、初期のブラスやストリングスを多用していたサウンドと比べ、ハードなギターのメインのリフに持ってきたことで、グラムロックのけばけばしさよりもヘヴィメタル的な変化があるように思います。 後に発表された別テイクではハモンドがより強調されていました。
でも、もともと音楽的な基本がいまいちなので、この後はどんどん人気は下降線でした。マーク・ボランは、人気が落ちてから1977年に愛人運転の自動車事故で他界。いっそう伝説的な存在になってしまいました。
それでも一つの時代の寵児であったことは間違いなく、当時のたいていの少年は、その外見的な美しさを真似できないけど真似してみたいと憧れていただろうと思います。