クラシックでは楽典という、きちっとした英語の文法書みたいなものがあって、ちゃんと勉強していないと基本ダメということになっています。
それに比べて、ポップス系はけっこういい加減で、感性だけでなんとかしている部分も少なくない。もちろん、ちゃんとしたミュージシャンはちゃんと楽典を知っているとは思いますが・・・
実際、ギターなどで伴奏するときの基本はコード進行。つまり和音をリズミックに出すことで、それなりになってしまう。
基本はI度とIV度とV度の3つの和音で、例えばハ長調(ピアノだったらドレミを弾くのに黒鍵がいらない)の場合には、I度はドミソ、IV度はドファラ、V度はシレソとなって、それでれコード名で言うと、CとFとGです。
楽しい感じの長調の曲ではそれでいいのですが、悲しい感じの短調の場合にはAmとDmとEmが基本の和音。多くの演歌はこの3つだけ知っていれば、なんとかなってしまうわけです。
だいたいギターを始めると、最初に覚えるのが、この6つのコードの押さえ方。とりあえずかっこいい響きを求めなければ、たいていはなんとかなるものです。
そうこうしていると、ただジャ~ンとコードを弾きっぱなしではつまらなくなってくる。そこで、次に覚えたくなるのがアルペジオ。つまり、和音を1音ずつばらして「つま弾く」感じにしたくなる。
一番典型的なつま弾き方が3フィンガーピッキングというやつ。これができると「ジャーン」から「テンテケテケテン」となって、「結婚しようよ」とか「あの素晴らしい愛をもう一度」などの昔のフォークソングがきまるわけです。
ところが、ユーミンという人が出てきて、なんかコード進行がモダンになった。ちょっと、ロマンチックな響きが聞こえてきて、6つの和音だけではどうも雰囲気が出ない。コード進行を見ると、メジャー・セブンスという見たことが無い和音が多用されている。
これは、例えばI度の和音であるド(I)・ミ(III)・ソ(V)にシ(VII)を加えた物。少し不協和音になるのですが、そこのところがなんとも味のある深い響きになるわけです。ギターでの左手の押さえ方も簡単で、ここまで覚えれば怖い物無しでバンド結成というのがおきまりのコース。
あとは、本物のギターソロなどを、一生懸命耳コピ(耳で聞いてメロディを探り出すこと)をして練習する努力を惜しまなければ、学園祭で人気者になれるし、場合によってはプロのミュージシャンになってしまう奴も出てきたりする。