鈴木雅明の全集も手に入れたのはいいのですが、実はまだまったくの手つかず。というのも、こちらは成立年代順に収録されているので、教会歴に沿って行くと、いくつかのCDからとっかえひっかえしないといけない。
もっとも、バッハも毎週二つも三つもカンタータを演奏していたわけではありませんから、実際のバッハの作曲順に沿ってバッハの人生を振り返るというのも・・・50年くらい、いや端折って5年くらいに圧縮してもいいのですが。
がーディナー先生に日ごろからお世話になっていますので、がーディナー盤でまた聴いていないカンタータを、先に別の演奏で聴くのも、なんとなく気が引けるというところもあったりするんですよね。
ところで、鈴木雅明 & BCJ のカンタータ全集は、定価10万円という、一度に使うにはかなりの高額商品でした。もっとも、初期の半分くらいの通常CDもSACD化したり、解説も1000ページもある、それなりの価値がある日本独自企画による限定盤というもの。
販売店ではほぼ完売で、こういうものに価値を感じる人がけっこういるということなんでしょうが、発売元は2匹めのどしょうを狙って、今度はバッハの4大宗教曲を中心にしたセットを発売する計画です。
12枚組で、カンタータ全集と並べて困らないデザインです。解説もバラバラではなく、一冊にして日本語対訳などもしっかりつけるというもの。カンタータ全集を購入した者としては、買わざるを得ないという代物です。
ところが、問題はすでにSACDで発売されているものがあるにもかかわらず、すべて通常CDだということ。数年前に、4大曲を通常CDのボックスで発売済ですし、 どうせ同じ企画意図であるなら、マタイ、ヨハネ、クリオラもSACD化すべきでしょう。
ボックスと残りもすでに所有(amazonの中古ですが)している身としては、かなり悩ましい。足元見られた思いです。カンタータ全集でたまったポイントを、ここで一気に吐き出すしかないかんじでしょぅか。
さて、三位一体節後第7主日です。三位一体節後第×主日というのは、クリスマス前の待降節まで続くわけで、まだまだ半分もいっていません。ところが、さすがにめりはりがない長い期間で、多少教会歴に沿ってカンタータを聴くと決めたのはいいけど、少し気持ちがだれ気味。
そんなところが影響しているのか、この日のためのカンターータは3曲あるのですが、比較的地味な印象です。
BWV186 魂よ、躓づくなかれ (1723)
BWV107 汝なんぞ悲しみうなだるるや (1724)
BWV187 彼らみな汝を待ち望む (1726)
BWV186は、ワイマール時代に作曲したものに、数曲を追加した使い回し。バッハ自身も、多少疲れがたまっているんでしょうか。ただ、この曲と、BWV187は2部構成になっていて、カンタータの中では長めです。BWV107も、バスとテノールが中心で、そういうところが華やかさを抑えているのかもしれません。