この時期は、昔は民族大移動などと呼ばれ、一斉に帰省が始まったものです。
最近は、休みをとるタイミングがだいぶバラけたせいか、一斉というほどではなくなりました。
それでも、やはり「お盆」いう習慣は、日本人には深く浸透しているわけで、前後1週間に休む人が集中するため、交通機関の混雑する期間はむしろ長くなったような気がします。
お盆というのは、簡単にいうと先祖の霊が家に帰ってくる期間。迎え火で家に入れ、家族が元気でいることを報告し、日頃守ってもらうことを感謝します。
霊は安心して、送り火とともに帰っていくわけで、先祖がいたから自分が存在し、そして未来を子孫に託すことを確認するイベントは終了します。
とくに、終戦記念日が重なったことが、お盆を不滅の記念日にしたことは間違いない。もしも、違う時期だったら社会人の夏休みは、もっとばらけていたでしょう。
しかも、個を大事にする時代ですから、休みも純粋に楽しむだけのものになっていたのかもしれません。
この辺りの考え方は、やはり仏教的なんでしょう。自分の場合、多くの日本人もそうだと思いますが、積極的な仏教徒とは言えません。
でも、仏教的なイベントは生活の中に染み込んでいて、それが日本人の常識を形成している一部であることは疑いようもないことです。
宗教哲学が表にはっきりと出る国もたくさんありますが、日本は仏教を倫理的規範のベースとしている国ということなんでしょう。