2014年8月10日日曜日

三位一体節後第8主日

クリスマスまでは、まだまだ遠い三位一体節後第8主日です。

バッハの残されているこの日のための教会カンタータは3曲あります。
BWV136 神よ、願わくばわれを探りて (1723)
BWV178 主なる神われらの側にいまさずして (1724)
BWV45  人よ、汝はさきに告げられたり、善きことの何なるか (1726)

BWV136は比較的華やかな合奏から始まりますが、コーラスとコラールでソロをはさんだ普通の構成で、長さもそれほどありません。標準的な出来上がりというところでしょぅか。

BWV178は、なんとコラールとソロを交互に織り交ぜる、まさに「コラールカンタータ」と呼べるもの。ソプラノだけ独唱がないので、比較的低音域の広がりを感じます。

バッハはライプチィヒに赴任して2年目の1724年から、カンタータの中にコラールを取り込むことを強く意識しだしたといわれています。

コラールは、当時ルター派の教会で会衆者全員で歌う合唱曲、つまり讃美歌で、その歌詞は聖書に匹敵するキリストの教えを反映したものであり、また信者にも知られたものでした。

バッハは2年目になって、明確にコラールを取り込んで、カンタータをより教会と参列した市民の間を取り持つ重要な存在にしようという意図が出てきたものと考えられています。

1726年のBWV45は、スタートは通常の合唱で最後だけがコラールでしめくくる、普通の進行の曲。いずれの曲も、比較的華やかさがあり、夏の日差しの中で清涼感のある輝きを意識したのかもしれません。