2018年6月2日土曜日

レンズ沼2018 (2) 魚眼


ヒトの視野に入ってくる光景に一番近い見え方は、焦点距離50mm程度と言われています。ですから、焦点距離50mm前後のレンズを標準レンズと呼びます。

また焦点距離を一定の幅で変化させられるタイプのものはズームレンズと呼ばれ、焦点距離が固定されているものは単焦点レンズです。

こういう分類の範疇に入らない特殊なレンズもあり、最も一般化しているのが魚眼レンズです。魚の視点みたいに水面下から水面上を見上げた場合、水の屈折率の関係で水上の風景が円形に見えることに由来します。

通常、魚眼レンズを通した視野は180度以上で、普通では見えない範囲をぎゅっと凝縮した特殊な画像を撮影できるわけで、通常の撮影では嫌われる歪みをむしろ楽しむためのレンズだと言えます。

半球体をそのまま平面に押し潰したような絵になるわけで、丸く写って周辺は光の届かない黒い状態(いわゆるケラレ)のままというのが円周魚眼。ケラレはなく、画面全体に写るものを対角魚眼と呼びます。

円周魚眼の中から、3:2の比率の長方形を切り取った、つまりトリミングすれば対角魚眼の写り方になります。ですから、ほとんどの魚眼レンズは円周魚眼タイプ。


この辺は個人の好みですが、周りが黒いままの写真はあまり嬉しくないと思うなら・・・自分がそうなんですが、対角魚眼レンズを物色するわけです。

幸いなことに、贔屓にしているSIGMAには、円周魚眼と伴に対角魚眼のレンズの両方がラインナップされています。だいぶ発売されてから古くなっていますが、今でも現役で販売されていて、値段もお手頃。

規格としては15mmの単焦点レンズ

写したいものを中央に持ってきて近づくと、ぐーんと強調されて面白い効果が得られます。一頃流行った、犬の顔面ドアップ写真みたいな感じです。

でも中央を遠くの物に合わせると、逆により引っ込んだような絵になるので、いろいろと楽しめます。ただし通常よりも圧倒的に広い範囲が映りこむので、カメラを持っている自分の体の一部とか影に注意が必要です。