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2018年6月10日日曜日
レンズ沼2018 (9) 望遠単焦点
単焦点レンズを使いこなせるようなら、立派な写真家というのは確かに真実の部分がありそうです。使いこなしているというのは、自分が撮りたいと思う被写体によって最適な単焦点を選択するということ。
ところが素人の素人たる所以は、一本でいろいろな焦点距離をまかなえるズームレンズに頼ってしまうところ。ズームを使うと、まずファインダーを覗いて、ズーミングしているうちに撮りたい被写体が後から決まってくる感じ。
つまり、撮りたいものがあって初めて写真が成り立つのに、先にレンズありきというのは、少しでも芸術性を出したいともがく永遠の初心者にすぎません。
・・・なんてかっこいいことを言っても、現実的にはズームの利便性を否定することはできません。ただし、少しでもレンズに明るさは求めたいという、けっこう相反する希望も捨てるわけにはいきません。
単焦点の良い所は、何と言っても明るさ。明るいレンズは、暗い場所での撮影に強く、また美しいボケ味を楽しむことができます。
例えばモデルに張り付くように撮影するカメラマンなら、ファインダーの中一杯に被写体を見て、35~50mmの単焦点レンズを使用していることでしょう。でも、素人はもっと離れての撮影になるてしょうし、そもそもモデルさんの撮影会なんぞに行く機会なんてありません。
実際には、歩いていてちょっと「いいかも」と思う植物や、街中の犬や猫が被写体ですから、そんなに近くまでは寄ることができない場合が多く、望遠側の方が使い勝手がいいものです。
となると、望遠側の70~100mmくらいの焦点距離のレンズが、写したい被写体と背景とのバランスがよさそうです。それが単焦点なら、比較的明るく背景も適度にボケてさらにテンションが上がります。
そこで用意したのが、Nikonの単焦点マイクロレンズで、AF-S VR Micro Nikkor 105mm f/2.8 G IF-EDというもの。
選択した理由は、まずは当然焦点距離ですが、次にf2.8というほどほどに明るいということ。そして、手持ち撮影にはぜひ欲しい手振れ補正のVR機構があること。おまけとしては、ニコンの売りであるナノクリスタルコーティングのレンズというのもポイントが高い。
そこで、もうお気づきと思いますが、単焦点レンズではなく、単焦点マイクロレンズというのがミソ。接写等倍撮影ができるマクロレンズのことを、ニコンではマイクロレンズと呼んでいます。
マクロレンズはすでにSIGMAの50mmを持っていて重宝しているのですが、何しろ古いレンズでAFのスピードはめちゃめちゃ遅い。通常の50mm単焦点として使うにはかなり難があります。マクロとしては、被写体が動かずしっかり寄れる物ならOKです。
でも、虫とかを撮影しようと思うとレンズの鼻先数センチとかは無理ですから、ある程度の距離が必要なので、100~150mmくらいの方が使い勝手がいい。
ですから、自分のカメラの使い方からすると、実際の「標準」と言える焦点距離はこの105mmくらいが実用性が高いというわけで、しかもかなり接近してのマクロ撮影も可能なこのレンズは二度美味しいということになります。