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2018年6月6日水曜日
レンズ沼2018 (6) 高倍率ズーム
コンデジで、性能を見る指標の一つに光学×倍ズームというのがあります。レンズの焦点距離をズームする幅が、最小から最大までで何倍に変化させられるかということ。
デジタルズームは画像があからさまに荒くなるだけで、実質的には実用性に乏しいのですが、光学ズームは時と場合によっては物凄い威力を発揮するものです。
コンデジはレンズ固定ですから、光学×倍を売りにできます。ところが、一眼レフではこの表現はほとんど問題にされません。何故かというと、レンズを交換して使うのが前提にあるから。
光学的拡大はレンズの性能です。交換用レンズでは、焦点距離を表記する習慣なので、わざわざ何倍とは呼びません。例えば、焦点距離が25mmから100mmまで変えられるズームレンズは、光学4倍ズームといえます。
一眼レフカメラ、あるいはレンズ交換式のカメラ全般を使うということは、使用するTPOによって、最適なレンズを選択して使用することが最大の利点です。本来は明るいのから暗いのまで、各種焦点距離のレンズを、使い分けるのが本道。フルサイズ一眼レフならなおさらのこと・・・
つまりズームレンズは邪道だという意見があって、しばしばズーム使うならコンデジにしろという意見が出されます。特に拡大率10倍を超えるようなズームレンズは、高倍率ズームと呼ばれ通からは嫌われる。
とはいえ、やはり便利なことは間違いない。普通なら、数本のレンズでカバーする焦点距離の範囲を、たった一本のレンズでまかなえる。大量の機材をいつでも持ち歩ける人はいいですが、スーパー・アマチュアとしては普通は1本、多くても2本です。
そんなわけで、高倍率ズームは「便利ズーム」と呼ばれ、玄人からは忌み嫌われる存在ですが、自分を含め素人的には現実的な選択肢として主力のレンズとして重要なものです。広角領域から望遠領域まで、一本のレンズですませられるというのは捨てがたい魅力。
玄人が嫌がる理由は、高拡大を可能にするためにレンズの構造が複雑になりどうしても暗いレンズになってしまうという最大の欠点があるからです。でも、デジタル時代になって、写真はカメラとレンズだけでなく、パソコンでの「現像」と呼ぶ画像調整を経て完成するので、欠点の多少のカバーは可能です。
APS-C機用の高倍率ズームレンズは、比較的選択肢があります。しかし、フルサイズ用となるとかなり限定的。SIGMAは古い型番にはありますが、現在はカタログ落ちで、中古もほとんど出回っていません。また、手振れ補正機能は無く、AFも今の基準からすればかなり遅いはずで、いろいろなシャッター・チャンスに対応できるものとは云い難い。
最初に使っていたのはTAMRONで、28-300mm F3.5-6.3 Di VC PZDというもの。光学10.7倍で写りはそこそこ悪くはありませんし、とにかく軽い。中古なら5万円を切る安さも魅力的です。
さすがズームのTAMRONと言われるだけあって、旅行などに持ち出すには最適な一本なんですが、何とも言えない物足りなさが残ることも否めない。本来便利ズームに求めてはいけないところなんですが、ちょっとしたボケの足りなさ、くっきり感の少なさなどで大満足とはならない。
そこで、まったくカタログスペックとして同一性能のレンズをダブって購入するのは初めての事ですが、純正Nikkorレンズをついに購入しました。
AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRというもので、現行カタログにあります。中古だと6万円台からあって、ニコンのレンズとしては手が出しやすい価格。
手振れ補正は弱めという評判ですし、今のニコンの主力のナノクリスタルコートではありませんが、あくまでも10万円以上するレンズと比べての話。素早いAFと、全域での解像度は十分すぎる感じがします。
TAMRONより大き目で重たいのは残念ですが、Nikkorというブランドに対する満足感もあり、最低一本だけ持ち歩くなら最強のレンズと思います。