28mm F8
300mm F8
AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRは、ニコン純正NIKKORレンズの中で、フルサイズ用のFXレンズ群の唯一の高倍率ズームレンズです。
フルサイズカメラを使うのに、高倍率ズームを使うなんて・・・という批判がどうしても出続けています。一眼レフはレンズを交換してこそ使いこなしなのだから、レンズ1本をつけっぱなしですませるなんて恥ずかしいということです。
でも、実際は大三元、小三元と呼んでズームレンズを持ち上げているわけですし、そもそも各焦点距離をうめるたくさんの単焦点レンズを、一度に何本も持ち運ぶというのは現実的ではありません。
毎日バッグにカメラを入れて常時持ち歩くことを考えると使えるズームレンズ、しかも高倍率で広角から望遠までできるだけ広い範囲を1本でカバーできるなら、それを無視することはできません。
フルサイズ用ではTAMRONの高倍率は定評があり、価格も安く大変軽いので持ち運びにも強い味方になってくれます。ただ、軽さ重視でいかにもプラスチックという作りは、けっこう所有の満足感とは遠いところ。それに、やはりNIKON純正という言葉の響きに誘われてしまうんですよね。
さて、実際使用してみると、さすがにNIKKORレンズというだけのことはあると思いました。
上の写真はF8ですが、F4でも周辺減光はほとんど見られず、28mmでは多少の歪曲収差はあるものの許容範囲だと思います。こだわる人でも、十分にソフトで修正できる範囲です。
通常の望遠ズームは焦点距離200mmまでですが、実は200mmだと普段のお散歩写真でもあと少し引き寄せたくなることが多々あるんです。300mmまでいけると通常の街中では十分で、あと少しと思っても我慢できる。実際、上の写真で見ても28mmの十倍強の300mmの威力は凄いことがわかります。
上左 高倍率 28mm F8 上右 標準 24mm F8
下左 高倍率 中央付近拡大 下右 標準 中央付近拡大
ここでも、標準ズームの24-120mmと比較してみます。標準は24mmなので、やや広角に写っているのでそのまま比較するわけにはいきませんが、小三元標準ズームと比べて歪曲以外はほとんど差が無いように思います。
拡大しての解像度についても、ほぼ遜色はありません。高倍率ズームを使ってはいけないという根拠は、特に指摘できないと思います。
となると、標準ズーム+望遠ズームを高倍率ズーム1本ですますことも可能、街歩きレベルであれば、広角ズームすら含めてしまうことができるかもしれません。
もっとも20mm以下のパースペクティブは広角レンズでないと得られない画角ですから、高倍率が広角20mm以下始まりでない限り代用は厳しいですけどね。
とにかく、よほどのアーティスティックな写真を目指すわけでなければ、それなりに一眼レフカメラらしい写真を撮影することは可能な、まさに使える「便利ズーム」だと言えると思います。