16mm F8
35mm F8
広角の焦点距離は16mm始まりですが、大三元レンズなら14mm、SIGMAを使えば12mmという、さらなる広角が存在します。画角で言うと、16mmは107゜、12mmは122゜です。
12mmの世界を知っていると、広角の特徴であるパースペクティブ(遠近感)は、16mmでは確かに物足りない。ただし、12mmはデフォルメされた感じも入ってくるため、使い方はけっこう難しい。
そういう意味では、16mmのパースペクティブは実際の見た目と比べての違和感は少なくて、ちょうど良いくらいのワイド感と言えるかもしれません。
周辺減光も意外と目立ちませんし、上下では樽型の歪曲収差がありますが、広角レンズとしてはやむをえないレベル。むしろ、左右についての歪曲はあまり出ていないのは驚きです。
望遠端の35mmだと、収差はほぼ吸収されてしまい、ちょっと広めの標準レンズの役目を果たしてくれそうです。感覚的には、50mmよりも現実的な見え方のような印象を持ちます。
上左 広角ズーム 24mm F8 上右 標準ズーム 24mm F8
下左 広角ズーム 中央付近拡大 下右 標準ズーム 中央付近拡大
標準ズームの広角端24mmと広角ズームの24mmで、両者を比較してみました。
標準ズームでは、わずかですが周辺減光があり、歪曲収差も強めです。標準ズームレンズとしては広角端ですから、1本で広範囲をこなすというのは、それだけレンズの設計上それなりの無理があるということ。
解像度は、両者ほぼ互角ですが、ごくわずかだとは思いますが広角ズームの方がしまった印象があります。
このあたりは、PCモニター上だけで見るのか、あるいは紙に印刷するのか、またはJPEGのような圧縮をかけるのか否かなど、使用用途によっては許容できない場合もあるのかもしれません。
少なくとも、AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VRについては、どうしても大三元の広角ズームが「神レンズ」と呼ばれるため、それに比較して劣る評価が下されてしまうのですが、通常使用のレンズとしては結構優秀だろうと思います。
大三元のAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDは、実売価格20万円で、重さはほぼ1kg。出目金レンズでフィルター装着はできず、手振れ補正は装備されていません。AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VRは、実売価格10万円で、重さは680g、フィルター使用が可能で、手振れ補正付きです。
実は、高倍率ズームレンズが、けっこう写りは悪くないので、この広角ズームと高倍率ズームの2本持ちは、けっこう普段の常時携帯としては強力なコンビなのかもしれません。