広角ズーム AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR
単焦点 AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
標準ズーム AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
スナップ写真、スナップ・ショットと呼ばれるのは、日常的な光景を特別な準備無しに写真に収めたもので、普通にカメラで撮影するときの大多数がこれ。
職業写真家ではなく、アマチュアの自分が街歩きの中で、おっ、いいじゃんと思ってカメラを向け眼場合はほぼスナップ写真なんですが、中に偶然の奇跡的な写真がごく稀に混ざっていたりするわけです。
ですから、スナップ撮影をバカにしてはいけない。奇跡の一枚のためにも、少しでも良い条件で写真を撮れるにこしたことはないというわけです。
カメラのレンズの規格には焦点距離があって、その違いは画角に反映されます。画角は、人間の瞳で見ている場合の視野みたいなもの。
一番普通にそこらを見ている状態の視野に一番近いのは、焦点距離35mmの時の画角と言われています。ちょっと意識的に見つめているくらいが50mm、ぼけーっとして見るともなく見ているのが24mm。
ですから、意図的な「写真」を撮るなら50mmが「標準」として推奨されますが、スナップ写真には35mmの方が向いていると言われています。
そのかわり、平凡な写真になりやすい画角とも言われて、多少なりとも写真らしい写真にしたいと思うとけっこう扱いは難しくなります。
レンズをいろいろと揃えていくと、ある程度同じ焦点距離がかぶってくるわけですが、今のところスナップ向けの35mmの焦点距離を含んだものが4本もあるんです。
広角ズーム AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR
単焦点 AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
標準ズーム AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
高倍率ズーム AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR
普段の街歩きにカメラにつけっぱなしにするのに、いったいどのレンズがいいのだろうと疑問に思いました。実際は、焦点距離を最優先して、解像度は多少目をつぶることになる高倍率ズームを選んでしまうのですが、他のレンズの写りに差はどうなんでしょう。
上の写真が、それぞれの35mmの焦点距離で写したもので、絞りはすべてF8です。写真としては、背景が明るすぎて、手前の盆栽が逆光気味でアンダーでよくわからないという最低の写真ですがお許しください。
一応、盆栽は1.5mくらい離れていて、まぁ旅先のホテルのベランダに出ている人物のスナップ写真というイメージです。それぞれのレンズによって、微妙な画角の違い、色乗りの違い、歪曲収差の違いなどはあるんですが、これだけパッと見た感じでは、スナップ写真と思えば大差ないと言えそうです。
左:広角 中央:単焦点 右:標準
意外と頑張っているのが、ネットの評判はイマイチの標準ズーム。明るさは足りない感じですが、解像度は悪くない。黒塗りのパイプの枠は、単焦点が圧倒的にリアルな質感を描き出しているように思います。
左:広角 中央:単焦点 右:標準
今度は、風景を撮ることを考えて、遠景に焦点を合わせました。手前に入っている盆栽の葉っぱの前ボケの感じは、まったく差が無いようです。
窓枠などの感じもほとんど差は無いのですが、一番上のベランダの柵をよく見ると、一本一本がはっきり描ているのは単焦点だけです。
結論として、まぁ当たり前だろということなんですが、やはりズームよりは単焦点レンズの方に軍配が上がるようです。とは、言っても普段はほとんど気にしない部分での差という事ですけど。
そうなると、普段の持ち歩きレンズとしては、カメラにつけっぱなしの高倍率ズームに加えて、広角ズームをカバンに入れておくというのが通常パターンなんですが、スナップ写真に特化して考えるなら35mm単焦点レンズメインで、念のために高倍率を持っておくというのもありですね。
このあたりが、一眼レフカメラ愛好家に多いと言われる単焦点レンズ至上主義の始まりなのかもしれません。