f/5.6 1/640sec ISO-800 300mm
長いこと絞り優先(Aモード)ばかり使って写真を撮ってきたので、絞り以外については自動で決まってしまうので、ほとんど無頓着でした。
マニュアル撮影をするとなると、シャッター速度、ISO感度も意識しないといけないわけですが、まだそこまで頭が回らない。もう一度、そのあたりをしっかりと考えないと、撮ったのはいいけど「なんで、そんな設定で??」ということになってしまいます。
この猫は、近所の野良。今までにも、何度も被写体になってくれていますが、近づくとすぐ逃げてしまうので、AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRの望遠端300mmでもここまで撮らせてくれたのは珍しい。比較的落ち着いて設定できたので、無難な撮影条件で、毛の一本もシャープにとらえることができました。
とりあえず、シャッター速度について、もう一度考えてみます。
シャッター速度は、そのものずばりシャッターが開いている時間。当然、長いほど光がたくさん入ってくるので明るい写真になります。
動かない物を撮影するなら、必要な明るさを確保するために多少長めでもいいわけです。動く被写体の場合は、できるだけ短くしないとぶれぶれの写真になる。その分、絞りをあけたり、ISO感度を高くして光量を確保する必要が出てきます。わざと動きを見せるための流し撮りのような高等テクニックもありますよね。
ここで、もうひとつ注意しないといけないのが、手振れの問題。自分の様に手持ち撮影しかしないという場合、どんなに頑張っても手振れは絶対に起こしています。一般的に、「1/焦点距離」が手振れが影響しないシャッター速度の限界といわれていて、これ以上長くなると写真はぶれがはっきりして生ぬるいことになる。
例えば、50mmの焦点距離のレンズでは、1/50よりも短くすればぶれはでないということなんですが、厳密には、シャッターを切った時の振動すらぶれの原因になるので、三脚にカメラをセットして、事前にミラーアップしてレリーズでシャッターを切るくらいのことをしないなら、あまり細かいことを気にしてもしょうがない。
もちろん、いろいろな条件が加わっての話ですから、単純には決められません。自分の場合、使用する焦点距離は16mm~300mmが中心。1/300秒くらいにしておけば、基本的にはシャッター速度はいじらなくてすむことになります。
ところが、実際のところ、ブログにのせている写真のシャッター速度は1/125くらいが多い。ズームレンズはやや暗めのレンズになるので、シャッター速度を短くするとISO感度をかなり高くすることになるので、写真にノイズが増えやすいというデメリットがあります。
だから、レンズ選びでこだわりたいのが、手振れ補正なんですよね。ニコンの手振れ補正はレンズ内で、微妙な動きに合わせて光学システムを振動させるもので、数段分を補正する効果があるので、手持ちにはけっこう強力な助っ人になります。
この並べた3つの写真は、10mくらい離れた隣のマンションの壁を300mmの高倍率で手持ち撮影したものです。同じ場所を切り出して比較しています。
一番左は、一般には手振れしないといわれている最短速度に近いシャッター速度1/320secでVRオンです。見事にオートフォーカスが決まって、タイルの質感が再現できています。
真ん中は、左と比べると随分とブレブレの写真で、猫だったら毛の判別はできそうもない。実は、これはVR(手振れ補正)を切っただけで、シャッター速度はやはり1/320secなんです。焦点距離が長くなるほど手振れは起きやすいので、VRの効果を実感できます。
そして右は手振れは出ていますが、VRなしの1/320secよりはましで、ぎりぎり許せるくらい。実は、これは1/320secから3段以上遅くした1/30secでVRオンの撮影。
手持ち撮影では、1/焦点距離は厳しい。ですが、手振れ補正があれば、むしろ1/焦点距離よりも長めのシャッター速度も可能ということ。特に望遠側の焦点距離を多用するなら、実効性がある無くてはならない機能ですね。