f/5 1/125sec ISO-200 82mm
商業ビルでよくある、通り抜けできる通路というのも、何となく見てればそれまでのものですが、しばらく止まって眺めていると写真になりそうな瞬間があったりします。
それは、向こう側を人が通り過ぎる時なんですが、人に限らず何か動くものがあると、静と動の対比が生まれてくるということなのかと思います。
ソール・ライター視点は、人をたくさん写しているのですが、人そのものを撮ることを目的にしているというより、写真の中に人が写り込むことでアクセントの一つに利用している感じというところがありそうです。
人が主役ではないという点は、気楽にシャッターを切れるところがあっていいんですが、ただ現代では、下手すると法的な問題になる場合がある。
営利目的に利用する場合は、確実に写った人の同意が必要だったりしますし、場合によっては看板などのロゴとか店名も問題になることがあるようです。
趣味の写真のレベルでは、直接その人を撮影することが目的の場合はエチケットとして声をかけることは必要ですが、基本的に写り込んでしまうだけの場合は良しとされているようです。ただし、そのあたりの境界ははっきりしません。まして、SNSやブログにのせてしまうなら、それなりの配慮が必要になる。
この写真では、通り抜け通路の暗と静、通路の向こう側の明と動の変化が面白いかなと思ったのですが、歩行者があっちを向いていてくれればよかったのですが、たまたまこっちを見ちゃっているんですよね。
もともと、明の部分は左下1/4程度のつもりだったんですが、結局、顔をぼかす修正をして、通路内にある店看板をできるだけ削るようにトリミングしたら、むしろ人が中心に近いところにでてしまい、明暗の比率が1:1に近くなってしまいました。
本来ならボツ写真ということなんですが、人が写っていないのもたくさん撮影しているんですが、人がいる方が圧倒的に絵になる見本ということで、人を写す難しさを含めて出してみました。
いつも無理やりつけているタイトルは、「明暗 (ombre)」としましたが、英語だとLight and Darknessとか、ちょっと怖い感じなので短めのフランス語にしてみました。