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音楽が好き、というなら、好きな演奏家がいるもんです。読書が趣味、というなら、気に入った作家がいる。これは、あくまでも作る側と鑑賞する側がある程度はっきりと分離されているということ。
でも、自分で楽器を扱ったり、なんらかの小説を書いてみたりしても、だいたいお手本にするようなお気に入りはたいていあるものです。
写真の場合は、撮るだけなら簡単で、今どきスマートホンなどでお手軽に楽しむことができてしまいます。写真家に注目するよりも、さっさと自分で撮影する方が早いのか、それほどこだわる人が少ないのか・・・
とりあえず日本人で有名な写真家を思い出そうとしてみると、池波正太郎、秋山庄太郎、立木義浩、篠山紀信、浅井慎平、野村誠一、荒木経惟、蜷川実花・・・せいぜいこのくらい。
だいたいメディアへの露出が多い方か、女優さんとかアイドルの写真集を出版した方ばかり。もちろん、これらの方々は「巨匠」と呼ぶのにふさわしいのだろうと思いますが、写真の歴史上忘れてはいけない大家と呼べる写真家はもっといるはず。
写真がうまくなるために、カメラやレンズの扱いに慣れることはもちろんですが、もっと有名な写真家の撮影した作品を鑑賞して、見る目を養うということも大事ですね。
ところが、写真に関連した書籍というと、もう大多数がハウツー本であり、それもごく初心者向けのものばかりで、どれをとっても書いてあることはほぼ一緒。カメラを初めて手に取った時に、一冊持っていれば十分です。
一人一人の写真家の作品を見るためには、個々の作品集を購入しないとほとんど見ることができないし、これがまたけっこう高価なので手を出しにくい。写真の良し悪しは、プリントの精緻さに大きく左右されるため、値が張るのはやむをえないのかもしれません。
でも、ネットなどで「ちょっといいな」と思う写真を見つけた場合には、その写真家のホームーページを探してみるのはおススメです。他の作品も見ることができますから、どのような写真を撮るのかわかります。
気に入った写真家が見つかったら、門前の小僧になって、下手は上手の始めと思って真似をしてみるというのもありかなと。