f/2.8 1/3sec ISO-100 70mm
写真のフォーマットというのは、写真の形のこと。今ではデジタル一眼レフカメラが主流で、35mmフルサイズという規格が最も標準的なフォーマットとされています。
これは、もともと一般的だったロールフィルムの一枚の大きさに由来するわけで、一コマの長辺が36mm(35じゃない!!)、短辺が24mmの3:2の比率を踏襲しています。APS-Cサイズでは、長辺が24mm、短辺が16mmで、それぞれの辺の長さはフルサイズの2/3。
人の視野は横に長いので、横長に撮影する写真は見た目に近い自然な光景です。横長の場合は水平を強く意識する必要があります。よく言われることですが、写真では水平・垂直を崩さないというのは鉄則とされ、歪んでいる写真は見ていて落ち着きません。
一方、縦長に使うこともできる。例えば、東京スカイツリーを横長で撮影すると、かなり両側によけいな景色が入り込んでしまいます。余計なものが写るほど主題がぼけてしまい、何を写したい写真なのかよくわからなくなってしまいます。
縦に長いものは縦長に写す方が自然というもの。ただし、この場合下から上、あるいは上から下へ視線の移動を無理なく誘導できる何らかの導線もあったほうがいい。
よく写真館などでプロの方が使うの二眼レフカメラというのがありますが、これは中判フィルムを使用します。フィルムは35mmサイズの長短辺が倍近くあり、さの比率はいろいろで、中には正方形もある。
正方形の1:1のフォーマットは、今どきのデジタル一眼レフではメニューから選択することが可能です。ただし、正方形だと自然に働く水平・垂直の規制はなくなるので、撮影者が考える構図の撮り方に左右される分、やや写真としての難易度が高くなるように思います。
上の写真は、実は最近のものではなく、10年前に初めてデジタル一眼レフを買ったときに、いろいろと試して撮影していたもの。道の向こう側にあるお店と、道路を走り抜けていく車をうつしてみたもの。APS-Cサイズの横長の写真が元ですが、あえて、左右の無駄な部分をそぎ落として正方形にしてみました。
上2/5が場所の雰囲気を伝え、真ん中1/5が明るい店内の静の部分、下2/5が流れている車で動の部分という感じで分けることができるように思います。シャッター速度はもう少しゆっくりにして、ぶれを減らして方がよかったかと思いますが、ごく初期の写真としてはまぁまぁに復活させられたかと思います。