もちろん、これは本物ではなく、現物はイギリスの大英博物館に保管・展示されています。かなり前に、大英博物館のオンラインストアで購入したレプリカです。
本物は縦114.4cm、横72.3cm、厚さ27.9cm、重量760kgだそうですが、これは1/15スケールくらいで、用途としてはペーパーウェイトですかね。
そもそもこの石碑の歴史的意義の凄さは、これがなかったら今のエジプト考古学は成立しなかったことは間違いないくらいの世紀の大発見だったということ。
発見されたのは1799年。それまでは、エジプトの遺跡から多くの文字風の物が見つかっていましたが、まったく解読する糸口がなく研究者は頭を悩ませるだけでした。
この石碑は、文字がたくさん書かれていますが、上中下に分かれて異なる文字が彫られています。上二つは、古代エジプトで使われているもので、一番上が、遺跡によくみられるヒエログリフ、そして中が民衆文字と呼ばれるデモティック。
特に注目されたのは、一番下。これはギリシャ文字で書かれ、当時はこのギリシャ文字は解読可能であったことから、3つが同じ内容を書いていると想像されたことから、古代文字の解読につながると考えられました。
各国で競争が始まり、一般的には1822年にフランスのシャンポリオンが最初に解読に成功したと言われています。その結果、遺跡にある王名表なども読めるようになり、古代エジプトの正確な歴史が一気に解明されることになったのです。
・・・って、まぁ、古代エジプトに興味が無ければゴミのような話かもしれませんが、小さなこのレプリカを眺めているだけでも、紀元前数千年の人の営みを想像できるロマンが感じられます。