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2022年7月13日水曜日

俳句の勉強 2 形式

何となく始めてしまいましたが、ちょっと勉強するだけでも、相当に奥深いなと。簡単に足を踏み入れて、後で後悔するやつかもしれないと思い始めました。

いろいろ突き進む前に、やはり「そもそも俳句とは何ぞや」というところを整理しておくことにします。

形式としては、5文字+7文字+5文字で全部で17文字で表す、世界一短い、他に類を見ない文学の一分野。五七五の韻律は、リズムが良く日本人的には聞きやすい。そして必ず季語と呼ばれる、特定の季節を表す自然現象や動植物、あるいは行事などを端的に表現した単語が使われます。

いわゆる話し言葉である口語体でも、古い書き言葉である文語体でも構わない。また使う文字は現代の新かな表記でも、昔の旧かな表記でも構いません。

中国の漢詩に対して和歌という呼び名がありますが、広い意味では俳句も和歌の範疇と言えますが、現在は和歌といえばほぼ短歌(五七五七七)を指します。似たような五七五で構成される川柳は、俳句と違い季語を使わずに一般に口語体で書かれるもの。俳句は「詠む」ですが、川柳は「吐く」ものです。

俳句が面白いと思うのは、17文字のパズルというところ。また、最小限の言葉を使って、読む人がどれだけその場面を映像として想像を膨らませることができるか、ということが大変に興味深い。

しかし、そのためには膨大にある季語をある程度知らなければならないし、季語ではない言葉の語彙力が必要になってきて、知的な遊びとしてはかなり高度な知識を要求されます。見たままの自然をどのように表現するのか、そしてどのように言い換えていくのか、これは相当勉強しないと難しそうです。


春の雲委ねし老母てんてんと


知人が、老人施設に入っている母親が、施設の移り先が決まったという話をしていました。

医療費抑制のために医療と介護が分離され、いわゆる老人病院が減りました。結局介護施設も長くいるほど施設の収入が無くなるため、転居を余儀なくされるという状況は同じように繰り返されていて、適切な医療から遠くなった分、高齢者には厳しい環境になったように思います。

空の雲は消えたり移動したり色々な変化をしています。施設に入っている老いた母親も、あちこちに移動せざるを得ないのは気の毒だなと思いました。

季語は「春」、あるいは「春の雲」ですが、夏だと本来は入道雲のような力強い印象を与えるので、ぽっかり浮かぶ雲が多い春を選びました。

「てんてんと」を「転々と」と漢字にしてもよかったのですが、漢字だと重たすぎるかなと思ったのと、ひらがなの方が雲との対比が生きてくるように思いました。