季語は大事ですが、たくさんあるので辞書的なものが無いとどうにもならない。ですから、どうしたって季語便覧として「歳時記」と呼ばれる本は最低でも1冊は持っていないと困る。
ただしどこかで正式に季語として認定しているわけではなく、何となく季節をよく表しているので、名人が「これは季語にしよう」と言えばそれが季語みたいなところがあります。
たくさんの歳時記が発売されていますが、編纂した人によって季語として採用した言葉には微妙な違いがあったりする。発行された時代を反映して、古い季語が消えたり新たな季語が加わったりもします。基本として使われる「見出し季語」と、そこから派生する似たような表現の「傍題」とがあります。
間違いなく誰もが季語と認める、基本となる重要なものを中心に収載している初心者用もので2000~4000語くらい。おそらく、現行で最大の数を誇る、ありとあらゆる季語が集められているのが角川書店の大歳時記で、見出し季語約6000語、傍題も含めて約1万8000語を集めたというから驚くしかありません。A5サイズ5分冊です。
初心者用を買って、後でこれじゃ足りないと後悔するのは嫌なので、どうせなら大歳時記が欲しい。ただし角川版は、改訂された新版が出たばかりなので、まだ古本はないし、季節ごとの分冊で全部そろえると約3万円になる。しかも、詳しいのはいいのですが全部文字だけの書物なので、見るのがつらくなりそう。
そこで目を付けたのが、約10年落ちにはなりますが講談社の「カラー版新日本大歳時記 愛蔵版」です。もともと四季+新年の5分冊(4万円超え)だったものを1冊にまとめたもので、見出し季語約4200語、傍題を含むと約1万5000語となり角川に迫る量です。合本になって価格も安くなり、古本で1万円以下で手に入る。Amazonポイントがたまったので、これをポチリました・・・
が、ここで問題が。何と、想像していた以上にこれがでかい、重い。A4サイズで1500ページあって、片手じゃ持てない。膝の上に乗せると痛くなる。角川と違い、何しろ季語をあらわす写真などもたくさん載っていて見ていて楽しいのですが、さすがにこれを広げていろいろ考えるのは大変。
そこで、結局、季節ごとに分かれた安価な文庫本サイズを合わせて持つのがいろいろなところでおすすめとなっているのですが・・・やはりコンパクトになった分、説明が少なくてよくわからない。中級以上になったらこれでも良さそうですし、さらに上級ともなれば説明を省いた季語だけが列挙してある「季寄せ」というものでも足りるのかもしれません。
さらに致命的なのはコンパクトだと・・・文字が小さい!! 老眼には辛い、辛すぎる。そこでいろいろ探した結果、小学館の「読んでわかる俳句歳時記」を購入しました。これは講談社版と同じ大きさの「日本の歳時記」を4分冊・小型化したもので、見出し季語で約3000、傍題含むと約1万語。
A5判サイズでカバンにも入れやすい。各巻に全体の索引がついているのも親切です。しかも、講談社のように写真がたくさん収録されヴィジュアル的に楽しめ、どの歳時記にもある例句については簡単な解説がついているのが嬉しい。
普段使いに小学館、ゆっくり勉強するのに講談社という具合に使い分けたいと思います。ゆっくりページをめくっていく文芸書と違い、事典的なものなのでデジタルよりアナログの方が使い買っては勝ります。