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2008年1月10日木曜日

私をスキーに連れてって

自分が卒業した東海大学は総合学園ですから、全国各地にいろいろな学部・学科は言うに及ばず。高校・中学などが散らばっているわけです。冬のシーズンに整形外科医の楽しみのひとつは、体育課外授業のスキー教室の付添医の依頼なのです。じゃんけん抽選でこれを射止めると狂喜乱舞なのであります。なぜなら・・・・だって1週間くらい仕事しなくていい。当直ない。スキーできる。しかも、出張扱いで日当まで出る。すごいじゃないですか。

何故かラッキーなことに東海大学に在籍していた15年間で、自分は3回も行っちゃったんですよね。2回は短大の体育授業で野沢温泉でした。これは、スキーバスで学生みんなと一緒に出かけます。「私をスキーに連れてって」が流行ったころでした。

教室の最後にバッチ検定というのがありました。ちゃんと日本スキー連盟の検定員の方が来て、実力により級をくれるのですが、「先生もせっかく来たんだから検定を受けなさい」と担当の先生にいわれました。そのころはパラレルはまだ自信がなかったので、3級は難しいかな、と思ったので
「じゃ、4級を受けます」と返事をしました。
「そんなことを言わずに3級を受けなさいよ」
「いや、自信がありませんので、4級でいいです」
「3級を受けなさいって」
「4級でいいです」
こっちもだんだん意地になってきました。まぁ、しょうがないということになって、最終日。いよいよ検定です。

「じゃ、4級の検定を始めます。集まってください」と呼ばれて行ってみると、なんと4級を受けるのは自分を含めて3人だけ。ほとんどの人は3級以上を受けていたのです。なんとなく恥ずかしいじゃないですか。じゃまず見本をやります、という検定員の先生はすーっと滑っていきます。おっと、待ってくれ!! そんな先に行っちゃ困るじゃないか、と思った3人の受験生は、先生の後を追っかけていきます。先で止まった先生、振り返ると受験生が後ろを一緒に滑ってくるのに気がついてびっくり。「付いてこいとは言っていないでしょ!! ちゃんと、見てて合図してから順番に滑ってきてよ!!」

そんな事があって、後で宿に戻って結果発表。ほとんどの3級受験者はみんな合格。いよいよ4級の番です。
「4級は3名とも合格です。ではバッチを渡します。これは貴重ですから、失くさないようにしてください」
「そんなに高価なもんなんですか?」
「いえ、4級のバッチなんて持っている人は、たぶんこの3人くらいだからです」
道理でしつこく3級受験を勧められたわけだ・・・・。

次に野沢温泉に行った時は、学会の発表の間際で、パソコンとプリンターを持って行って(当時はけっこうな大荷物でしたね)、原稿を作っては印刷して宿から上の先生にFAXを送る。返事が返ってくると、またいろいろい手直しを繰り返し、とてもゲレンデに出る暇がありませんでした。今ならインターネットでらーくらくなのに。時代はいっきに進んだもんです。

3度目は付属高校の付添。これは単独で浅間山の北側の宿まで来いということで、自分の車で行きました。当時はマツダの初代MPVに乗っていて、これがチェーンやスタッドレスを使わなくても車体が重いためそこそこに雪道が走れてしまうという車なんです。楽しく1週間を過ごし、さぁ帰るよということになりまして、なんと先生・生徒さんみんなで見送りです。そんなことしなくていいのに。

「ありがとうございましたぁ~、気をつけてぇ~」という声を背に受けてエンジンスタート。宿舎の前の緩やかな下り坂のカーブへ進みます・・・って、げげ!! 止まらない!! 滑ってる。ぐえ~ハンドル効かないし・・・ずるずるずりずり・・・・皆が見てるし・・・ハハハっ笑うしかないっす・・・・路肩の雪に突っ込んで止まり、あっちに突っ込み、やっと下の道路に出て、雪がどけてあるところで一安心。

なんて、いろいろ楽しい思い出を思い出してしまいました。というのも、患者さんで今スキー教室に行っている人がいるんですよね。一人は生徒さん。もう一人は先生。どちらも同じ学校なので、きっと一緒の教室だと思いますが、怪我をしないように帰ってきてくださいね。

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