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2008年1月13日日曜日

Disease is made by doctor

本日のあざみ野棒屋先生のブログで、製薬会社が薬を売るために「病気」を作っているかもという話題が盛り込まれていました。ちょっと、以前より感じていたことにピピっとアンテナ3本立っちゃったので、拡大版コメントととして書いておきます。これは、あくまでも私論ですし、何らかの根拠があるわけではありませんので、そのつもりでお読みください。

病気というのは、健康の対義語であり、「健康ではない状態」であると総論的には定義できますが、西洋医学では臓器別に原因と結果から、細かく分類整理した疾病という単位があるわけです。この疾病には、すでに知られていた(previous konwn)症状から振り分けられた既知病あるいは古典的病気とよべるものがあります。

歴史的には医学の父とされるヒポクラテスやガレヌスらによって体系づけられ、ルネッサンス期に現代の解剖学(正しい人の体の仕組み)の完成によって枠組みが明確になったものといえるかもしれません。

しかし、まだ正体がわかっていない疾病はいくらでも残っているわけです。それらが正体を現すには医学のさらなる進歩、技術革新が必要でした。つまり明らかに病気であることはわかっているけど、まだなんだかわからないが、潜在している(latency)と考えられているものです。

関節リウマチという病気も、実際にはヒポクラテスがそもそも言葉として使ったことが最初でしたが、関節の痛みを伴う状態をすべて混ぜて使われていて、疾病としてしっかりと独立したのは20世紀になってからのことです。このような潜在病と呼べるものは、正体が判明して、しだいに既知病へ組み込まれていくわけです。

遺伝子病のようなものは、その最たるものでしょう。やはり20世紀になって遺伝子の本体がDr.Watson(Windowsの監視ソフトではありませんよ)によってDNAの二重らせん構造であることが解明されて以来(1953年)、病気そのものは言うに及ばす、ヒトの成り立ちまでも一気に解明され、医学は過去2000年の歴史の中で最大の急展開を見せいてます。

さて、もう一つ別のグループがあります。医者が作っている疾病です。医者は病気を治すことが仕事なのに、病気を作っているというのはどういうことと思われるでしょうが、これは事実存在しています。この中には2つのグループがあると思います。

最初のグループは、いわゆる副作用のようなもの。治療をしていく過程で、偶然おこってしまう問題によって健康が損なわれるもので、通常、医原性(idiopathic)疾患と言われています。これは望んでいる者は、医者にも患者さんにもいません。しかし、一定の確率で起こることは必然であり、100%避けることは不可能です。これらをすべて「薬害」というくくりに入れてしまったら、医療は完全に崩壊します。

医原的に起こるものでも、本来の治療効果の方が圧倒的に優るのであれば、それなりの対策をとりつつ受け入れることができます。消炎鎮痛剤、いわゆる痛み止めの薬による消化管潰瘍、関節リウマチ薬による内蔵障害、あるいは人工関節置換術後の脱臼・破損のようなものが(整形外科領域では)あります。しかし、副作用のための治療の上乗せばかりが行われると、いわゆる「薬漬け診療」のような状態を引き起こすわけですから、医者は極力排除する努力を怠ってはいけません。

さてもう一つのグループはやっかいです。今まで、誰もそれが病気とは思っていなかったのに、急に病気として扱われるようになっったものがありますよね。これはマスメディアの進歩が大いに関係していると思うのですが、自分は健康だと思っていたのに、実はあなたのそういうところは実は病気なんだよ、みたいなキャンペーン。

ここには、一部の製薬会社の意図があることは想像できますが、それだけでは病気として確立はできないでしょう。そのような元は、医者が作っているわけで、ある時は営利目的であったり、売名行為であったりするわけです。最先端の研究には多大な費用がかかり、スポンサーとしての製薬会社は「必要悪」であるからには、切ることができない関係があることは否定できません。資本主義の中では、製薬会社には莫大な投資を回収する義務があります。

そのような一定の企図(planed)のもとに作られた病気があることはまちがいありません。また、医療費抑制が続くなか先細りの医療業界では、新たな商品(病気)が必要とされているということも事実だと思います。ED治療というのも、生物としての「種の保存」という根本的に生存理由を主として考えるのなら、立派な病気の治療といえるでしょうが、現実には快楽的な目的がほとんどである(棒屋先生、どうですか?)としたら、どうなんでしょうか。

実際、保険診療という日本独特の枠組みがどんどん縮小させられている中で、病気が増えないことには商売にならないと考えている人は大勢いるわけです。Dr.Mはご自分のこのジャンルについては施術と呼んで病気とは明確に分けているわけですが、中には病気としての扱いをすることで正当化している人たちもいると思うんですよね。

また、あえて非難を恐れずに言うなら、「病気になりたい」人たちも存在していて、作られた病気を簡単に、かつ積極的に受け入れるグループがあるとも思います。さらに「弱者を批判できない風潮」があって拍車がかけているような気がします。特に明確な科学的な話のしにくい精神疾患系には、このような新たな「病気」がどんどん出てくるような印象があります。

肝炎問題は、本来前者の医原的な問題であり、医者も患者さんも望んでいないのに、知らないうちに偶発的に生まれたはずのものです。自分も大学でそんなことが起こるかもしれないとは思わずに輸血をずいぶんしています。しかし、問題が一部の人たちの中で確認されたところから後者の企図疾患へと変貌したわけで、このようなものは通常の副作用とは別次元の「薬害」と呼べるものであると思います。

ずいぶん過激な意見を書いたように思いますが、まちがった認識もあるかもしれませんが、いつも漠然と思っていることを書きとめておいて、今後熟考するための材料としたいと思いますので、あえて掲載してみました。

Disease
(I) Previous known disease
(II) Latency disease
(III) Produced disease
a. idiopathic disease
b. planed disease
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