紫壇楼古木 - しだんろうふるきは、古典落語の一つで故六代目圓生の演目のひとつ。国立劇場でのテープが残っていますし、圓生百席という集大成のレコードでも当然聞くことができます。
この前、患者さんと物売りのかけ声の話をしていて、豆腐屋さん、金魚屋さん、竿だけ屋さん、棒屋さん・・・はいませんけど、昭和にあった物売りがなくなったという話題になりました。
戦前にあって、戦後にない物の一つに羅宇(らお)屋さんがあるということになって、確かに見たことないですよね。ラオというのはキセルの雁首(がんくび)と吸い口とをつなぐ竹の管のこと。昔はたばこの葉をキセルにつめて吸っていたわけで、間の竹が傷むので、すげかえをする商売があったわけです。
この話は実はらお屋さんと思っていたら、紫壇楼古木という立派な方(と、いっても落ちぶれた講釈師)でいろいろ話が展開します。狂歌噺というジャンルでいろいろな川柳が登上するもので、江戸文化をいろいろ知ることができる楽しい噺。圓生はこの手の噺はさすがの演目で、理に走りすぎず知性のある羅宇屋を演じています。
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