もうひとつ、都筑区でクリニックをやっていて多いと思うのは、膝蓋大腿関節不適合症と呼ばれる問題です。膝蓋大腿関節亜脱臼、習慣性膝蓋骨脱臼なども同じような状態のことなんです。
患者さんの訴えは「膝を曲げると痛い」「膝を曲げると音がする」「膝ががくがくする」「お皿の骨がずれる」「お皿の骨が痛い」「膝が抜ける」「膝がはずれる」などなど。
要するにどういうとかというと、お皿の骨、膝蓋骨(しつがいこつ)と太ももの骨、大腿骨(だいたいこつ)との間の形が生まれつき悪かったり、あるいは太ももの筋肉が弱くて膝蓋骨をしっかり支えられなくて、膝蓋骨と大腿骨がうまくかみ合わないことが原因で起こるいろいろな症状なんですね。
運動量が増して膝の屈伸が増えてくる、でも筋肉が弱い10代後半から20代前半くらいの女性に圧倒的に多いのですが、整形外科疾患でそんなに多いものではありません。
もともと、自分のお世話になった大学の教授は、この問題の専門でしたので、年に100例くらいは患者さんが入院してくるのです。大学にいた頃は、ふつうにありふれた病気かと思っていましたが、大学を離れるとそうそういるもんじゃありません。
他の大学病院では年間数例と聞いたことがあります。リウマチ専門でやっているときは、当然診ることもありませんでした。ところが、開業してからは、うちのような患者の少ないヒマなクリニックにもかかわらず、月に一人くらいはいるんですよね。
都筑区は若いということでしょうか。ただ、若者も明らかに運動不足ということは間違いないように思います。