2008年3月18日火曜日

中日ファンが私を戦いに引き込んだ


2000年は20世紀最後の年。世の中は2000年問題に揺れて始まりました。自分は母校を辞して春から女子医科大学へ転出し、新しいスタートを切った年なのです。その年の9月はシドニー・オリンピックで盛り上がり、最後の種目の女子マラソンが9月24日に行われ、朝からテレビ中継で日本中が湧いたのです。なにしろ高橋尚子が優勝して金メダルを取ったんですから。

しかし、その日はそれだけでは終わらなかったのです。夕方から自分は長男を伴って外出。電車に乗って、ついた先は東京ドーム。巨人対中日の今季最終戦を観戦するのが目的です。この年のペナントレースはほぼ読売ジャイアンツの優勝は間違いのないところでしたが、中々優勝が決まらず巨人ファンは毎日いらいらがつのっていたのです。昨日もだめ、今日もだめの連続でしたが、チケットを持っている自分としては昨日決まらなくてよかった、という思いでした。

巨人も残り試合はあと4試合。今日は2位の中日を直接叩いて優勝する最後のチャンスです。球場内はただならぬ雰囲気。しかし中日に2回に頼みの先発上原が打ち込まれ3点を先取されます。一方巨人は中日の先発前田の前に沈黙。6回にも1点を取られ4対0となると、もはや今日の優勝は消えたという重苦しい空気だけがドームに充満しました。

6回裏の松井の打席が終わると席を立つ人がぞろぞろ。7回が終わるとどはどは帰って行きます。自分も帰るのに混雑するのはいやなので、長男に「帰るぞ」といいました。長男はさっき勝ったジャイアンツ・メガホンを振り回して、「もう1回松井に打席が回るから見ようよ」というのです。まぁ、めったに連れてこれるもんでもないので、まぁいいかということになって、最後まで見る覚悟を決めました。

そして運命の9回裏。先頭の村田は三振。しかし、ここからです。元木、高橋由、松井と3連続ヒットで満塁。ピッチャーはギャラードへ交代。次は? マルチネスだぁ~。でも三振。三振でよかった、と思う間もなく江藤の満塁同点ホームランが飛び出し、その怒号のような歓喜の声がおさまらないうちに二岡の弾丸がライトスタンドに突き刺さったのでした。

長男はジャイアンツ・メガホンがばきばきになるまでそこらあたりを叩いていました。長嶋さんが宙に舞い、ナインがグランド1周するところまでいました。帰りの地下鉄の中で、前に座っている人に、「今ね、逆転優勝したんだよ」と話しかけたくなるのをがまんするのに苦労しました。今でも翌朝の報知はとってあるんです。

どうだまいったか、中日ドラゴンズ!!