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2008年12月23日火曜日

Hogwood & AAM / Mozart Complete symphonies

クラシック音楽では基本的にクリニックの待合室でBGMに使用するために購入しているんだ!!という大義名分がありますので、多少の実益をかねていることを理由に散財しても許してもらっているわけです(誰に?)。

実は、そんな基準もあって、管弦楽はけっこう音の強弱がありすぎてBGMにはなりにくい。実際、好みとしてピアノ曲や室内楽が好きなので、あまり手をださないジャンルなのです。

それでも、バッハやヴィバルディのようなバロックとか、そしてほとんどが長調で明るいモーツァルトは結構BGMでも使えるため例外的に聴くわけです。

そのモーツァルトですけど、まぁ若いのによくもまぁこんだけ作曲したもんだと思うくらい多い。真作・贋作いろいろ入り乱れ、まだまだ真意のほどが不明の物もあるようです。

交響曲については今でいう小学生の時に作った作品から始まり、番号がついているものだけでも50曲くらいあるわけで、ベートーヴェンの9曲なんてたいしたことはない(もっとも1曲の重さが違いますが)。もちろん上には上で、交響曲の父と云われるハイドンは100曲を超えてますから、さしずめクラシック界はお化け屋敷の如しです。

モーツァルトの交響曲は後期のものが有名で、このあたりは主立った指揮者ならたいてい録音されているので、普通に名盤を探すとなるとだいたい決まっているようです。しかし、全集となるとさすがにそうはいきません。

モーツァルト交響曲全集としては、大オーケストラを使い切ったベーム&ベルリンフィルが元祖みたいなもので今でも名盤とされているようです。そしてモーツァルトの時代の実際の音に少しでも近い演奏を心がけた代表としてはピノック&イングリッシュコンサートがあり、どちらも想像しただけでも相当音が違うだろうと思わせます。

実は、すでにひとつ全集をもっているんですけど、これ安いだけが売りといわれているアリゴーニ盤です。HMVでなんと10枚組1800円という激安価格で有名なんですけど、確かにそれなりにきびきびした演奏で楽しめるのです。

しかし、何となく楽譜をなぞっていくことが目的であるような感じで、BGMとしては全く問題はない物の本気で聴く気になれません。まぁ、値段が値段なのでそのせいもあるかもしれません。

そこで、かねてからもう1セットと思っていたわけですが、ピアノ蒐集がちょっとおちついたので本気で探してみました。ベーム、ピノック以外では内田光子のピアノ協奏曲全集に付き合って評判だったテイト&イギリス室内も候補にあがったのですが、結局ホグウッド&エンシェット室内管弦楽に決定しました。

ベームは嫌いではないのですが、小学生の頃にじつは最初に買ったベートーヴェンの第9がベームだったので、その印象から抜けきれず、どうしてもモーツァルトと結びつかないのです。

ピノックはバッハの小気味の良い演奏を持っていますが、モーツァルトの交響曲にチェンバロ導入というのがどうしてもひっかかる。そりゃ時代考証的には正しいのでしょうが、自分は18世紀の人間ではありませんから、現代の耳で楽しみたいという気持ちがどこかにあります。


テイトも悪くはなさそうですが、これっていうポイントが見つけられませんでした。

ホグウッドは学者肌の音楽家で、モーツァルトの交響曲を研究し尽くして、当時の実態を再現することに力をいれたということで、とちらかというと古楽的な演奏だろうと想像していました。


でも、なにしろ通常交響曲としては扱われていなかったものも含めて70曲近くを録音した、まさにモーツァルトの交響曲全集の規範となる大全集といえる金字塔のようなものなのです。

それじゃHMVのポイントも貯まってきたし、年末セールでポイント3倍の今がチャンスとばかりにCD19枚組12390円に掛けることにしました。

さて、もちろんまだすべてを聴いてはいませんが、取りあえずの印象としてはそれほど古楽臭くないというところでしょうか。1曲1曲の丁寧な考え抜かれた風の演奏は大変交換が持てる感じです。自分はモーツァルトに求める物は、やはり爽快感ですが、十分に期待に応えてくれそうです。

これから年末年始にかけては、しっかりと聞き込んでみたいと思います。