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2008年12月27日土曜日

Murray Perahia / Mozart Complete Piano Concertos

多作家のモーツァルトですが、ピアノ協奏曲も随分力を入れていたようです。モーツァルトの作品群から、当時の貴族社会の世相が浮かび上がってくるようですね。

当時は他人の曲を演奏するということは無かったということなので、それだけモーツァルトの人気がすごかったと云うことなんでしょう。粗製濫造という言葉がありますが、たしかに他人の曲の編曲や変奏もかなりありますし、自分の曲の一部または全部を使い回すようなこともしばしば。

これって、今で云うオブジェクト指向と似てませんか。コンピュータ・プログラムを作るとき、パーツ毎に作って、使えるものはいろいろなソフトに組み込んでいくわけです。その方が、効率もいいし性能も安定するわけです。

ただ、音楽でこれをやると、どうしてもマンネリは避けられません。これは編成の大きい音楽ほど、簡単に作曲するために起こりやすいように思います。もちろん、モーツァルトのピアノ協奏曲がダメっていう話ではありませんよ。

さて、その協奏曲集ですが、面白いのはソナタ集で評判の良いピアニストの協奏曲集はあまり話題になりません。逆に、協奏曲集の評判の良いピアニストのソナタ集も人気は今ひとつ。何ででしょうかね。

強いて言えば、内田光子だけは両方で話題性があるんですけど、日本人だからと言う判官贔屓みたいなところがないとは言えません。どちらかというと協奏曲集の方が評判はいいようですが、どうも内田さんには手を出す気が起きないんですよね。

まずはアルフレッド・ブレンデルとネビル・マリナー。ブレンデルも、やはりモーツァルトには堅い感じでしょうか。あまり理詰めでモーツァルトを弾かれてもなぁ、みたいなところです。

次はアンネローゼ・シュミットとマズア盤。全集で目下のところ一番安い。これはシュミットのピアノが大変いいんですが、全体的にやや早めのテンポで気持ちが前に出てくる感じです。ただし、サポートするドレスデン・フィルがやや出しゃばり過ぎのように思うのは自分だけかなぁ。

そして、自分の真打ちはペライア自らの弾き振りです。ポイントは最初の他人の編曲物や複数台ピアノのものも含めて、ほんとの全集であること。そして、ペライアのピアノの優雅で丁寧なところが、しっかりと記録されているところでしょうか。