だいぶ好き勝手なことをまとめて書いてしまい、なんじゃこりゃ、と思われた方も多かったかも。・・・って、モーツァルトのことですよ。
クラシック界で最も人気のある作曲家といえば、モーツァルトとベートーヴェンが両横綱ということになると思います。この年の瀬に、とりあえずモーツァルトの自分の好みをまとめてみたんですけど、如何でした?
つまらん?
いい加減なことばかり?
まぁ、いいじゃないですか。最初に伏線を張っておいたように、自分は評論家ではなく、コメンテーターですから。
モーツァルトの交響曲から始めて、管弦楽作品、ピアノ協奏曲、バイオリン協奏曲、室内楽、ピアノソナタ、バイオリンソナタという具合にだいたいのジャンルを網羅したつもりです。えっ、足りない?
気がつきました?
そうなんです。宗教曲と歌劇が入っていません。レクイエムといえば、モーツァルトは大変有名ですよね。歌劇でも「ドン・ジョバンニ」「魔笛」「フィガロの結婚」などの超有名なものが目白押し。
それらが、モーツァルトの仕事のかなりの部分を占めていることは間違いありません。ただ、どうも好きになれない。両方に共通していること、それは歌なんです。
これが苦手。ベートーヴェンの第9の合唱くらいは、あまり苦にならないのですが、全編歌が主役というのがダメなんですよね。
理由は一言で言うと、何を歌っているのかわからないからです。たいていドイツ語かイタリア語ということになるわけですが、根本的に聞き取れないどころか意味がわからない。
形だけの仏教徒なもんで、キリスト教の歴史的な部分は興味がありますが、思想の基本が染みついてはいません。ミサ曲などの根底がわからないわけです。
歌劇になると音だけだと、場面が当然想像できないわけでなおさらのことです。CDで歌劇の音楽を聴いて「こりゃ、素晴らしい」とか言っている人がいると「ほんまかいな」と思ってしまうのです。
最近はDVDがあって、映像として見ることもできるし字幕も出るのでしょうから、これからのファンは幸せです。自分のようにスタート(小学生の時)から映像が無かった世代には、今からこのジャンルに手を出すのは辛いわけです。
さて、話は前後しますが、じゃぁ何で今頃モーツァルトなの? ということなんですが、福島章恭さんという方がいらっしゃいます。自分より少し若い方ですが、合唱指揮者であり音楽評論家でもあり、特にモーツァルトにはだいぶ力が入っているようです。
この数年の自分のクラシックブームの一番の参考書にしていたのが、文春新書から刊行された「クラシックCDの名盤」という本なんです。この著者が福島さん。この本はあと二人クラシック評論の大御所との3人での共著なんですが、そのスタイルが面白い。
一つの曲について3人がそれぞれ推薦盤を挙げていくのですが、意見が一致している物もあれば、バラバラの物もあって、自分としては年代的に近い福島さんの意見が一番フィットする感じです。
最近気がついたんですけど、その新版が発売になっていて、けっこう推薦盤も変わっていたりしてまたまた楽しめています。この福島さんの今までの著作の名前を眺めていて、あれっ? と思いました。
そもそも、マイブームのきっかけはグールドのゴールドベルグ変奏曲だったんですけど、じゃぁ少しクラシックをまじめに聴いてみようと思い立って最初に買った本が「モーツァルト百科全書」という本で、その著者が福島さんだったんですね。
モーツァルトの人生と音楽、そして主な演奏の紹介がまとまっていて重宝しました。いゃぁ、著者について気にしていなかったというか、わからなかったので大変失礼いたしました。それで、福島さんがブログを書いていることがわかったので、ちょっと訪問したりしてみました。
そこで、敬意を表して自分のモーツァルトをまとめてみたわけです。とにかく言えることは、もの凄い量の作品数があるわけですが、そのほとんどが長調で書かれており、明るい曲が多いことが聴いていて楽しいということでしょうか。
本気で聴いて良し、BGMとして聞き流しても良しというのがモーツァルトの最大の長所なのではないでしょうか。胎教にいいとか、α波にもいいとかいわれる所以もそこにあるんでしょうね。
ただ、逆にどれもが同じ感じということも否めません。特に全集みたいので集めて続けて聴いていると、曲の切り分けが難しいことがしばしばあります。まぁ、これだけたくさんあるとしょうがないでしょうね。まじめに聴くときは、一曲単位で、しっかり分けて聴くことが正しい作法なんでしょうね。
J.S.バッハを頂点とする宗教を基盤とするバロックから、モーツァルトは確実に貴族を中心とした娯楽のための音楽を作り上げたと言えそうです。そして音楽を芸術として高めていく仕事は、次の世代であるベートーヴェンに託されました。